「労働力調査」に見る雇用環境の変化〜コロナウイルスの影響で急激に悪化する雇用環境〜建設業の人材動向レポート(22)(1/2 ページ)

本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をさまざまな観点からレポートしている。今回は、総務省統計局の「労働力調査」について分析している。

» 2020年06月30日 10時00分 公開
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 今回は、我が国における就業状況(就業者数、雇用者数、完全失業者数、完全失業率など)をまとめた総務省統計局の「労働力調査」について紹介する。

■就業者数は増加、完全失業者数は減少

 我が国の就業者数はリーマンショック時の2009年に、6314万人(前年比95万人減)まで落ち込んだが、その後は2012年の6280万人を底として増加傾向が続き、2019年には6724万人にまで増加した(図表1)。就業率も2012年の56.5%から上昇傾向が続き、2019年には60%を突破して60.6%に達した。

 一方、完全失業者数は2009年の336万人をピークに減少を続け、2019年には162万人となった、完全失業率についても2009年の5.1%から2019年には2.4%に低下している(図表2)。

【図表1 就業者数/就業率の推移】 出典:総務省統計局「労働力調査」よりヒューマンタッチ総研が作成
【図表2 完全失業者数/完全失業率の推移】 出典:総務省統計局「労働力調査」よりヒューマンタッチ総研が作成

■男性の生産年齢の就業者数は大幅に減少

 次に、就業者数増加の内訳を細かく見てみたい。男女別/年齢層別(65歳未満と65歳以上)について2019年とリーマンショックで就業者数が落ち込んだ2009年との増減数を比較すると、「65歳以上男性」「65歳未満女性」「65歳以上女性」は増加しているが、「65歳未満男性」の就業者数は113万人減少している(図表3)。就業者数の増加は、女性と65歳以上の男性就業者数の増加に支えられたものであり、男性の生産年齢(15歳〜64歳)の就業者数は大幅に減少していることが分かる。

【図表3 男女別/年齢層別就業者数の2019年対2009年の増減数】 出典:総務省統計局「労働力調査」よりヒューマンタッチ総研が作成
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