「中断継続と再開」“緊急事態宣言”延長でゼネコン各社に違い、鹿島はGWに6割の現場閉所新型コロナ対策(2/2 ページ)

» 2020年05月15日 05時05分 公開
[石原忍BUILT]
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清水建設など工事再開へ、オフィス部門は在宅継続も

 緊急事態宣言後、早い段階で工事中止を発表した清水建設は5月7日以降、国土交通省のガイドラインと自社で設定した安全ルールを満たす管理体制が整った作業所から順次、工事を再開していく。

 竹中工務店は、4月29日〜5月10日は工事を休止し、作業の安全性を見直す期間としていたが、その後は当初の方針通り工事を再開。西松建設も、施工中の工事を順次再開するとしている。

 また、青木あすなろ建設は、5月末まで、緊急事態宣言発令地域の本社・支店・営業所などの常設オフィス部門を対象に、不要不急の出張や移動は禁止し、在宅勤務の期間を延ばすとした。対象地域での工事は、発注者と協議を重ね、継続する現場では感染症防止に万全を期す。

 奥村組では、特定警戒都道府県で中断した工事は、今後の施工などに与える影響や周辺地域の状況など、工事を取り巻くさまざまな事情を勘案し、再開の時期などを検討していく旨を明らかにしている。

前田建設が新型コロナ対策のアイデア募集

 前田建設工業は、内勤部門の在宅勤務や発注者と協議を完了した工事作業所は、5月10日まで施工中断などの措置を取ってきた。期間延長については、工事再開を念頭に、発注者や協力会社と協議して判断する。内勤部門の在宅勤務は当面継続する。

 独自の施策では、Facebook上に公式ソーシャルメディア“ICIオープンイノベーションLIVE”が5月中に開設することに合わせ、第1弾として新型コロナウイルス対策のテクノロジーやサービス、ビジネスのアイデアを募集する。

 対象の部門は、感染拡大を防止するテクノロジーやサービスを募る「VSコロナ部門」と、コロナ禍の下での経済活動で有効なテクノロジーやサービスを2020年度下半期までに市場投入を目指す「With and Afterコロナ部門」。アイデアは、5月22日の公開オンラインイベントでのプレゼンテーションを経て、最優秀賞(各部門1社、合計2社)を決定する。

 最優秀賞のアイデアには、前田建設工業の研究拠点「ICI総合センター」が市場展開や実現に向けたサポートを行う他、開発資金の提供や実験設備の提供などが受けられる。

閉所継続を表明するゼネコンも

 工事再開を表明する一方で、現場閉所の期間を延長すると決めたゼネコンもいる。大林組は、予定していた5月6日から、5月31日までに期限を引き延ばし、施工中断を続ける。オフィス部門の「原則テレワーク実施」も、5月末までとした。

 フジタも5月7日には同様に、5月31日まで工事現場は可能な限り閉所とすることを明らかにした。ただし、緊急性の高い作業所や工事の再開が早急に必要と判断された作業所については、万全の感染予防対策をする前提で工事を行うとしている。

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