ヒューマンタッチ総研は、国土交通省の「2020年度予算概要」などから分析した建設業界の今後についてまとめた。これによると2020年度は、防災・減災対策や老朽化したインフラ対策を中心に2019年度を上回る予算が投入され、建設市場は堅調に推移すると予測している。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2020年2月26日、「国土交通省の2020年度予算概要から見る建設業の今後」と題したレポートを公表した。
国土交通省の「2020年度予算概要」によると、公共事業関係費は5兆9369億円(前年度比99.5%)で、防災・減災、国土強靱化3カ年緊急対策を集中的に実施するための臨時・特別措置が、別枠で6802億円も積み増しされ、大幅な増加となった2019年度とほぼ同水準となった(図表1)。
建設業に関連する主な予算項目を見ると、防災・減災対策と老朽化したインフラ対策を中心に前年度を上回る予算が投入されている(図表2)。
具体的には、「水防災意識社会」の再構築に向けた水害対策の推進に6247億円(前年度比104%)、集中豪雨や火山噴火などに対応した総合的な土砂災害対策の推進には1309億円(同102%)、将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進には6901億円(同141%)など、前年度を上回る予算が計上されている。
また、整備新幹線の着実な整備に804億円(同101%)、効率的な物流ネットワークの強化に4304億円(同104%)など、将来の成長に向けた分野でも一定水準の予算が確保されている。
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