土砂積み込みを自動化する大林組の自律運転システム、熟練技能者の操縦をAIで再現建機自動化(1/2 ページ)

大林組、NEC、大裕は、土砂の積み込みを自動化する「バックホウ自律運転システム」を共同開発した。2019年12月に大林組の土木工事現場に適用する予定だ。

» 2019年07月22日 06時24分 公開
[石原忍BUILT]

 大林組、日本電気(NEC)、大裕の3社は、各社の保有する技術とノウハウを活用して、汎用建設機械を自律化して生産性を飛躍的に向上させる技術の共同開発に着手した。プロジェクト初弾では、バックホウの自律運転システムの実用化を目指す。

遠隔操縦装置「サロゲート」を搭載

 バックホウ自律運転システムは、地盤の造成やトンネル掘削といった土木工事をはじめ、大規模建築物の地下掘削などで膨大な作業量となる土砂の積み込み作業を自動化させる。土砂の積み込み作業は、バックホウのアームやブーム、バケットを巧みに操る熟練技能が必要で、フルオートメーションの実現は困難とされていた。

 システムには、バックホウに大林組と大裕が共同で開発した汎用遠隔操縦装置「サロゲート」を搭載。さらに、土砂やダンプトラックの状況に応じた動作計画を大林組のノウハウをベースに作成して、刻々と変動するバックホウのアームの動きや応答遅延による影響を加味した制御を行うため、NEC独自の「適応予測制御技術」も採り入れている。加えて、熟練技能者による操縦の経験と、AIを組み合わせ、掘削や積み込み時の機械の動きをベテランオペレータが操縦するのと同等に再現させる。

「バックホウ自律運転システム」構成図 提供:大林組、NEC、大裕
バックホウ自律運転システム

 掘削範囲における盛土の状況は、3Dスキャナーで判定することで、1回に積み込む土砂の量が最大になるポイントを判断して掘削。待機しているダンプトラックへ旋回してベッセル内のカメラでも確認しながら、積み込みを繰り返す。

 作業の高精度化のために、一連の作業でバックホウの最適な動作計画を作り、バックホウ特有の動きはNECの適応予測制御技術で制御する。

 また、熟練技能者の大量の作業データを分析することで効率的な動作を数値化し、これを土砂の状況や作業ごとに異なるバックホウ、ダンプトラックの配置に応じて補正することで、熟練技能者の動きを忠実に模している。

「バックホウ自律運転システム」の実証実験 提供:大林組、NEC、大裕
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