本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。今回は、国勢調査をベースに、“地域別”の建設技術者の実態をリサーチした。
前回の連載で、国勢調査のデータから、建築技術者は2000年の38万7284人から2015年には23万5190人(2000年比39%減)に減少、土木・測量技術者も2000年の51万196人から2015年には24万10人(2000年比53%減)に減少していること、高齢化については建築技術者の方が土木・測量技術者よりも進んでおり、2015年時点で55歳以上の比率は38.9%に達していることなどをご紹介した。
今回は、同じく国勢調査のデータを使って、建築技術者、土木・測量技術者の実態を北海道、東北、北関東、南関東、北陸・甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄の全国10エリアに分けて分析したいと思う。
エリア別の建築技術者数と土木・測量技術者数を示すと図表1となる。
建築技術者が最も多いのは東京都が含まれる南関東エリアの7万6600人であり、全建築技術者の32.6%が集中している。次いで近畿エリアの3万7470人(全建築技術者の15.9%)、東海エリアの2万5850人(同11.0%)となる。
最も少ないのは四国エリアの6320人で、次いで北関東エリアの1万人、北海道エリアの1万20人となっている。
土木・測量技術者が最も多いのは同じく南関東エリアの5万8140人(同24.2%)であり、次いで近畿エリアの3万480人(同12.7%)、九州・沖縄エリアの2万9760人(同12.4%)となる。
最も少ないのは建築技術者と同様に、四国エリアの8540人、北関東エリアの1万1280人、北海道エリアの1万5750人の順番となっている。
エリア別の建築技術者と土木・測量技術者の増減率を2015年と2010年の比較で見ると図表2となる。
建築技術者の増加率が最も高いのは東北エリアの28%増で、次いで北海道エリアの19.3%増、北陸・甲信越エリアの15.8%増、東海エリアの12.7%増などと続いている。
土木・測量技術者の増加率が最も高いのも、東北エリアの23.8%増で、次いで南関東エリアの3.5%増となり、他の8エリアは減少している。
このデータから、東日本大震災の復旧復興に向けた工事量の増加に対応するために、東北エリアに多くの建設技術者が投入されたことが推察される。
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