NEXCO中日本は、神鋼建材工業と共同で、中央分離帯のガードレールを交通事故などの緊急時に、工具を使用せず移動できるタイプの「レーンオープナー」を開発した。
NEXCO中日本は、鉄鋼・アルミなどを素材とした総合建材メーカー神鋼建材工業と共同で、交通事故などの緊急時に、中央分離帯を開けて滞留車両を流出させられる中央分離帯開口部用ガードレール「レーンオープナー」を開発した。
交通事故が発生した場合に、滞留してしまう車両を別の車線に流す場合は、事故現場の状況に応じて反対車線を活用するケースがある。その際、中央分離帯に設置されている開口部のガードレールを一時的に取り外すが、これまで設置されている脱着式ガードレールでは、取り外しにクレーンや工具が必要なため、準備や現場作業に長時間を要していることが課題となっていた。
NEXCO中日本が課題解決のために開発した製品は、延長約3m(メートル)、支柱間隔2mごとのブロックとなったガードレール。本体がブロックごとに分割され、それぞれの支柱にキャスターがついているため、クレーンや工具を使用せずに、人力で移動することができる。ガードレールのブロック同士は、ピンで接続し、通常時にガードレール本体が固定されているときは、連続性が保たれる。
ガードレール本体を固定する際は、筒状になっている支柱に差込管を通して、地中に埋め込んである“サヤ管”に差し込む。
取り外し時には、最初にガードレールのブロック同士を連携しているピンを引き抜く。次に、支柱の差し込み管をサヤ管から引き抜き、そのまま差し込み管を回転させることで、手押しによる移動が可能になる。
また、長期間の使用で、サヤ管の中に土砂が詰まってしまうのを防ぐため、サヤ管キャップを取り付けて、土砂がサヤ管の中に入り込まない工夫を施している。
性能評価では、通常時は中央分離帯のガードレールとして使用されるため、「防護柵の設置基準」に規定されている車両用防護柵(分離帯用)の性能(車両の逸脱防止性能など)を担保をする必要がある。そのため、NEXCO中日本では、実車(大型/小型)を用いた衝突実験を行い、車両用防護柵種別Am(たわみ性防護柵)の基準に足りていることを確認した。
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