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» 2019年03月22日 11時30分 公開

施工ロボット:大東建託が賃貸住宅のビス留めロボ「デービス」の試行開始、2020年12月の実用化を目指す

大東建託は、賃貸住宅を対象にしたビス留めロボット「D-AVIS(デービス)」の現場試行を開始した。デービスは人と協働するタイプの軽量・小型の施工ロボットで、実用化となれば今後不足が予想される大工職人を補うことや労働災害で多いビス止め作業をロボットに代替することが可能になる。

[石原忍,BUILT]

 大東建託は2019年3月19日、賃貸住宅を対象に、人と協働する軽量・小型のビス留めロボット「D-AVIS(デービス)」の現場試行を開始した。

操作は施工データを一元管理する独自開発の「名監督システム」を活用

ビス留めロボット「D-AVIS(デービス)」 出典:大東建託

 ビス留めロボット・デービスは、2017年から建築現場において深刻化する大工職人の高齢化や人材不足への対応および労働災害撲滅、施工品質の均一化を目的に、開発を進めてきたもので、2020年12月の実用化を目指す。研究開発にあたっては、さまざまなロボットの実用機で実績のある福岡県北九州市に本社を置くエイチ・アイ・デーと共同で進めている。

 デービスというネーミングは、特徴となっているDisassembly(分解)、Assemble(組み立てる)、Variety(多様性)、Innovative(革新的な)、Smart(素早い)の頭文字に由来する。大型機械を使用しない賃貸住宅などの小規模建物の建築現場で、作業員と一緒になって作業することを目的に開発されたため、現場に導入しやすい軽量・小型で、安全面にも配慮されている。施工ロボットにより、これまでのように、大工職人の熟練度に依存せず、施工品質を均一化することが可能となる。

 デービスの操作方法は、タブレット端末などで施工状況などのデータを一元管理する現場管理システム「名監督システム」を活用して行う。システム上で物件名を選び、図面を表示させ、作業すべき部屋を指定。あとはデービスを指定箇所に配置して起動ボタンを押すだけで、ビス留め作業がスタートする。

 なお、名監督システムは、1998年に現場に導入した大東建託の独自システムで、現場監督が更新した現場の最新情報を協力業者が常時確認することができ、現場監督と協力業者とのより円滑なコミュニケーションの実現に役立っている。

「D-AVIS(デービス)」の操作手順 出典:大東建託

 ロボット開発の背景には、オリンピックの開催決定や消費税率改定に伴う個人住宅の駆け込み需要が発生した2013年をピークに、建設需要が高い状況が続いており、人材不足が恒常化していることがある。なかでも木造住宅の下地から仕上げまでを担う「造作大工」は、若年層の減少が著しく、2018年度の大東建託の現場では、10〜20代の造作大工の数は、2012年度比で約半数まで減少しているという。

 また、住宅生産団体連合会のまとめた報告書によると、低層住宅の労働災害発生で、職種別では、大工が約半数。さらに工具別では、これまで最も多かった「丸鋸」を2017年に「釘打ち機(ビス留め)」が上回る結果となり、ビス留め作業には危険性が付きまとうことが顕著に示された。

 大東建託では、デービスの現場での実装により、造作大工不足への対応と労災防止が実現できるとしている。

住宅生産団体連合会の「2017年低層住宅の労働災害発生状況報告」 出典:大東建託

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