JFEスチールは、鉄鋼分野で国内最大規模の開発拠点「大型破壊・疲労評価センター(JWI-CIF2)」を千葉市に開設した。同センターでは、建築用の鋼板や鋼管も含め、船舶、ラインパイプなどの破壊・疲労の評価に関して研究開発を加速させる。
JFEスチールは、鉄鋼材料の破壊・疲労に関する研究開発活動と、同分野の新たなイノベーションの創出を目的として、「大型破壊・疲労評価センター(JWI-CIF2:JFE Welding Institute - Center for Integrity against Fatigue and Fracture)」を千葉市に開設した。
JWI-CIF2は、8000t(トン)引張試験機などの大型破壊、疲労試験機などの実験設備を多数備え、鉄鋼分野で国内では圧倒的な規模を誇る世界最大クラスの試験施設。大型の鋼構造物のさまざまな研究試験をワンストップで実行することを可能にし、試験対象の大型化への対応や研究効率の飛躍的な向上につなげる。
大型の鋼構造物に関しては近年、軽量化や高強度化だけではなく、その破壊安全性への要求や関心が高まりをみせている。JFEスチールでは、厳しい環境下で使用される鋼構造物の安全・安心を社会全体に向けて発信していく取り組みは、鉄鋼という基幹産業の責務と位置付ける。
そこで、鉄鋼分野の研究開発を一層促進させるため、スチール研究所所有の各種の大型破壊、疲労試験機に加えて、低温環境などの特殊環境でも試験ができる設備を新たに導入。スチール研究所千葉地区に、新開発拠点としてJWI-CIF2を設立し、鉄鋼材料の破壊・疲労に対する評価をさまざまな角度から行う。
JWI-CIF2には、各種大型の評価試験設備に加えて、主に船舶・ラインパイプ分野を中心とした商品と、その破壊・疲労評価技術、さらには実際の評価試験サンプルの展示エリアを併設する。単なる試験センターという枠を超え、国内外のユーザーや研究機関とこの場を活用して、多くの共同研究やプロジェクトを創出していくイノベーションの場となることを目標に掲げる。
JFEスチールは、先立つこと2018年4月に、溶接・破壊・疲労分野での研究開発の施策として、大阪大学と共同で「JFEウエルディング協働研究所」を設立。同研究所とも密に連携をとりながら、大型鋼構造物の安全・安心の根幹をなす鉄鋼分野の研究に、産学連携体制や人材育成に関する取り組みも一層強固なものにしていく。
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