16の応募技術のうち、AIを活用した技術は、4つ。機械学習では、西日本高速道路エンジニアリング中国の「道路管理画像を用いた路面評価システム」は、10mごとの路面静止画像から、AI(ランダムフォレスト)を活用した自動判読でひび割れ率を推定する。パスコの「次世代道路計測システム(Real-mini)」は、5m間隔で撮影した前方映像を専用解析ソフトに読み込み、AI(ディープランニング)を用いた自動ランク判定を行う。
他に、福田道路・NECの「マルチファインアイ」では、ひび割れとわだち掘れによる損傷レベルの診断でAI(CNN/畳み込みニューラルネットワーク)を活用。東芝インフラシステムズの「道路舗装ひび割れ解析サービス(市販ビデオカメラ版)」は、SVM(サポートベクターマシン)パターン認識モデルを利用して測定する。
AI活用技術の試験結果では、西日本高速道路エンジニアリング中国とパスコはIRI検出率に、福田道路と東芝インフラシステムズはひび割れ検出率で、それぞれ精度が落ちる結果となった。
今回の技術公募の背景には、舗装管理に必要となる路面性状を把握する技術は現在さまざまあるが、技術性能を比較するための評価項目や試験方法は確立されておらず、現場条件に応じた技術を比較検討するのは困難となっていることがある。
国土交通省では今後、試験結果と点検技術を参考に、精度・コスト・制約条件などを踏まえ、直轄発注工事などで適材適所の活用を検討していくとしている。
選定された16の技術は次の通り。
技術名称 | 申請技術事務所 | NETIS番号 | 応募者名[共同開発者名] |
---|---|---|---|
多機能路面測定評価システム | 四国 | SK-170013-A | 鹿島道路 |
簡易IRI測定装置STAMPER | 関東 | KT-170109-A | 共和電業 |
可搬型計測システムによる路面性状計測 | 関東→四国 | SK-170015-A | 国際航業 |
スマートフォンによる簡易路面性状評価システム「DRIMS」 | 関東 | KT-170085-A | JIPテクノサイエンス[東京大学] |
生活道路健康診断サービス | 関東 | KT-170106-A | ゼンリンデータコム |
プロファイラーと路面撮影装置を用いた道路維持管理システム | 関東 | KT-170073-A | 大成ロテック |
ひび割れ自動検出システムを備えた路面性状自動測定装置 | 関東 | KT-170103-A | 東亜道路工業 |
道路舗装ひび割れ解析サービス(市販ビデオカメラ版) | 関東 | KT-170057-A | 東芝インフラシステムズ |
簡易路面調査システムスマートイーグル | 四国 | SK-170007-A | 西日本高速道路エンジニアリング四国 |
道路管理画像を用いた路面評価システム | 中国 | CG-170010-A | 西日本高速道路エンジニアリング中国 |
小型車両による簡易な路面性状調査(ロメンキャッチャーVPW) | 四国 | SK-170008-A | ニチレキ |
多機能路面性状測定システム | 関東 | KT-170063-A | NIPPO/グリーン・コンサルタント |
次世代道路計測システム(Real-mini) | 関東 | KT-110060-A | パスコ |
スマホで路面性状計測(バンプレコーダー) | 関東 | KT-170105-A | バンプレコーダ |
マルチファインアイ | 北陸 | HR-170003-A | 福田道路[NEC] |
道路パトロール支援サービス | 九州 | QS-170023-A | 富士通交通・道路データサービス |
「路面性状を簡易に把握可能な技術」の選定技術 |
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