大屋氏は「Boxは、単なるファイルの置き場ではない。法人向けに特化したコンテンツマネジメントシステム。例えるなら、Boxという池にファイルコンテンツを預けてもらえれば、金や銀のオノにしてお返しする」とし、強固なセキュリティ、容量無制限のクラウドストレージ、拡張子120に対応している特徴を説明した。
さらに大屋氏は、「建設業のICT化のためには、適材適所のアプリケーション選択、ロングテール文書の評価、生産性向上とセキュリティの両立の3つが重要だ」とした。適材適所のアプリ選択は、BIM/CIM、図面、写真/動画、オフィス文書、野帳など、各業務に特化したさまざまなアプリを使用することになるが、Boxであれば、各アプリと連携しており、クラウドのため、場所を選ばずに建設現場からでもスマートデバイスからアプリを利用することができる。
また、こうして扱うBIMモデルや図面、文書、写真などの多様なデータは、ファイル分類、ファイル数、1ファイルの容量などで、機密度・重要度を判別できないため、全てのファイルがセキュリティ対象となる。つまり、生産性を向上させるアプリの使用とセキュリティは切り離して考えることができない。
そのため、生産性向上とセキュリティは両立させる必要があり、作業(BIM、図面、写真、オフィス文書、野帳)だけでなく、ファイルのライフサイクル(作成/編集、閲覧/管理、保存、共有)も考慮したアプリの利用環境が必要となる。できる限り1か所に集約し、共通化することで、個別に最適化するよりも、セキュリティが高まり、結果としてコスト抑制にもつながる。
大屋氏は、ゼネコンの施工管理担当者と情報システム担当者をモデルに、Boxによって変革がもたらされた1週間の仕事風景を紹介。
まず施工管理担当者は、協力会社とのミーティングで、移動中にスマートフォンからBoxを立ち上げ、Box Notesでこれまでの先方とのやりとりを履歴から確認。実際のミーティングでは、Box Notesを複数人が同時に編集し、議事録を会議中に作成。帰社中に、会議録を共有リンクで関係者と共有する。これまでは、スマホでニュースサイトを閲覧するだけだったが、折衝履歴の確認、議事録の作成、資料共有までができるようになる。
資料作成業務では、Box上であれば、Facebookのタイムラインに似た“フィード”の機能で、自分に関連がある人や文書の動きをタイムライン表示させ効率化が図れる。また、Salesforceとの連携で、SalesforceのレコードとBoxを横断検索することも可能だ。
さらにAIを活用した画像、音声、動画それぞれの分類と検索機能などもあり、事務所に縛られることなく、どこでも資料作成・高度な検索が可能になる。
一方でシステム管理者は、ログを見れば、施工管理者が共有したファイルがいつアクセスしたかやどのセキュリティレベルに設定されているかを一目で把握。有効期限やパスワード、閲覧・編集権限など共有リンクの現状が一括で管理できる。
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