ボーダックは、世界的にも類を見ない国内初の4輪走行するドローン「インフラ点検用壁面走行ロボット」を開発。点検員はもとよりドローンでも容易に接近できないインフラ構造物の打診検査を実現する。プロペラの推進力により、車体が壁面に貼りつくことから天井面などにも対応可能としている。
ボーダックは、人が容易に接近できない構造物壁面の打音検査を実現する「インフラ点検用壁面走行ロボット」の開発に成功。2018年10月17〜19日に東京ビッグサイトで開催された「Japan Robot Week 2018」で実機を披露した。
同社では、インフラ点検用のロボット開発・販売、ドローン向け映像装置などの開発を手掛けている。今回の展示会で参考出品した壁面走行用ロボットは、建設業界における接触系検査を主な用途に想定して設計。一般的な飛行型のドローンでは壁際への接近が難しく、仮にハンマーなどの打音装置を搭載しても、その反力を抑えることは困難であるため、正確な打音検査は不可能ともされている。
この世界的にも類を見ない国内初の「インフラ点検用壁面走行ロボット」は、大きく3つの要素で構成している。まず、ロボット中央に積まれた大きなプロペラが、重力方向の地上に向けて高速回転することで自重を限りなくゼロに近づける。次に、4本のタイヤ上部ごとに設置した小型プロペラが、車輪を壁面に押し付けるように回転し、トラクションを高めるよう作用している。そして、車輪のハブ内部には電気自動車などで採用が進むインホイールモーターで駆動する設計となっている。近く、自律制御への対応も視野に入れる。
打音検査の測定技術は、コンクリートの非破壊診断装置の日東建設が提供。衝撃弾性波法により、マンションやビル外壁のタイル浮き・剥離を調べられる他、橋梁やトンネルといったインフラ点検が可能である。壁面走行ロボットは、プロペラの推進力で外壁に貼りつくことから、トンネルの天井面などにも対応できる。これにより、従来のようなトンネル点検中の通行止めも不要になる。さらに、電磁波レーザー法をはじめ近接系の非破壊検査であれば適応できるという。
参考出品した壁面走行ロボットの仕様は次の通り。5インチ・プロペラ×4枚、ブラシレスモーター4機、ホイール走行用ギアードモーター4機、5.7GHz・HDデジタル映像送信装置、バッテリー稼働時間7分(有線給電可)、サイズ380×580×200mm(ミリ)、重量1880g(グラム)、ペイロード300g。各種カメラの実装も対応可。
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