長谷工コーポレーションは、BIMで設計したマンションの全住戸を、VR機器で利用できる3Dデータに変換するビュワーを開発した。
長谷工コーポレーション(以下、長谷工)は、BIMで設計したマンションの全住戸を、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのVR機器で利用できる3Dデータに変換するアプリケーションソフト「長谷工オリジナルBIMビューワー」を開発した。マンションの販促ツールやWebサイトのコンテンツとしてVRを活用しやすくする狙いで、同社が設計・施工を手掛ける物件の事業主を中心に導入提案を進める。
長谷工では2012年からBIM活用を推進。同社が設計・施工を手掛ける案件で「長谷工版BIM」を採用する実施設計案件数を増やしている。同社はマンション事業に特化し、さらに設計・施工比率が100%近いという点を強みとしているため、BIMを建設のライフラサイクルに全体にわたって生かせるというメリットもある。作成したBIMデータを、建設後の管理や修繕に活用する取り組みも広げているという。
長谷工オリジナルBIMビューワーはこうしたBIM活用の延長にあるものだ。BIMで設計した住戸全タイプのデータを、VR機器で利用できる3Dデータに素早く、高品質に変換できるのが特徴という。長谷工グループによるインテリアオプション「アイセルコ」や「E-label」などの情報を追加すれば、内装や家具のシミュレーションも行えるようにした。
従来、販売センターなどに展示されているモデルルームは1〜2種類の住戸しか確認できなかった。長谷工オリジナルBIMビューワーを導入すれば、マンションの住戸全タイプをVRで内覧できるようになる。さらに作成したデータをPC上に表示させ、室内の様子やディティールを確認することも可能だ。
既に導入の第1号物件として東京都八王子市に建設した総戸数86戸の新築マンション「ルネ八王子トレーシア」への採用が決まっている。今後は長谷工が設計・施工を手掛ける物件の事業主を中心に導入提案を進めていく方針だ。
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