同社がこれまでに実施した基礎実験では、塗装鋼板の塗膜下の亀裂や塗膜の浮きなど、目視では確認できない欠陥を検知できた。新技術を実用化すれば、検査前の塗膜除去が不要になり、検査工程の大幅な省力化が期待できる。また、コンクリート表面付近に存在する微小なひび割れや、表面から1センチメートル以内の深さに存在する剥離など、従来技術では検知が難しかった欠陥を画像観察することにも成功している(図1)。
今後は新技術の実用化を目指して実証実験を重ね、ユーザビリティの向上、性能改良を進める。橋梁など交通インフラ構造物の検査用途への適用に向けては、京都大学共同で実証研究を開始した。また、プラント設備の検査用途への適用のため、インフラ管理者や検査事業者と連携し、2016年度中にフィールド実証をスタートさせる方針。3年後をめどにこれらの分野で本技術の製品化や事業化を目指す。さらに、材料試験機や非破壊検査機器をはじめとする同社既存製品との技術シナジーの創出を検討している。
進むインフラ老朽化、“達人頼み”を補う技術が続々登場
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インフラ維持管理へのロボット活用に本腰、NEDOが評価基準の策定へCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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