天気予報から空調機器の制御予定を決めるサービスをBEMSに追加エネルギー管理

日立製作所はBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)「BIVALE」に、空調機器の運転スケジュールを自動で決めるオプションを追加し、提供を始めた。天気予報から空調機器を制御する予定を決めるサービスだ。

» 2012年11月15日 13時00分 公開
[笹田仁スマートジャパン]

 今回BIVALEに加わったオプションは「エアコンおまかせ省エネサービス」。ビルの一部を借りている業者(テナント)が毎月の節電目標を設定するだけで、インターネット上のサーバーが1カ月分の空調機器の制御スケジュールを決めるというサービスだ。

 このサービスを使用するには、テナントが月に1回節電目標を入力するだけでよい。あとは、インターネット上のサーバーが、ビルが立地している地域の天気予報データを入手し、1カ月の間にエアコンが特に必要になる日や、強く運転する必要のない日などを分析し、空調機器を制御するスケジュールを決める。このスケジュールに従った自動運転を続けているだけで、節電目標を達成できる。

図1 BIVALEの「エアコンおまかせ省エネサービス」を利用する流れ

 天気予報が外れることも考え、制御スケジュールを毎日見直す機能も備えている。毎日、前日までの実績と最新の天気予報を分析し、必要に応じて制御スケジュールを作り直す。

 日立製作所は「ビルを賃借しているテナント自身の手で節電しようとすると、無駄に点灯している照明の消灯や、空調機器の設定温度変更、運転停止といった操作をすべて手動でやらなければならない。すべて手動でやっていては、節電目標を達成できないといったことや、節電が行きすぎて環境が悪くなるということが発生することが多い」としている。ビルの中でも大きな電力を消費する空調機器を完全自動制御とすることで節電効果を大幅に高めることを狙っているわけだ。

 エアコンおまかせ省エネサービスの提供を始める前に、日立製作所では自社施設でこのサービスを試験的に利用した。その結果、2012年9月に空調機器が消費した電力量は2010年9月比で18%減となった。室内環境が大幅に悪化することもなかったという。

 エアコンおまかせ省エネサービスの利用料金は、ビルの規模によって異なる。例えば、床面積5,000m2ほどで12テナントが入居するビルなら、月額1万5000円ほどになる。

 VIVALEは「平成23年度エネルギー管理システム導入促進事業費補助金」の対象となっている。補助金を利用して導入したビルに対しても2013年1月以降にエアコンおまかせ省エネサービスの提供を始める予定だ。

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