「建設と通信の現場に、女性の力を」奥村組とNTTフィールドテクノが女性活躍推進で意見交換産業動向(2/4 ページ)

» 2025年07月08日 15時56分 公開
[松永弥生BUILT]
NTTフィールドテクノ サービスエンジニアリング部 DXリデザイン室 柚津慎也氏 NTTフィールドテクノ サービスエンジニアリング部 DXリデザイン室 柚津慎也氏 筆者撮影

 NTTフィールドテクノ サービスエンジニアリング部 DXリデザイン室 柚津慎也氏は、「職場の改善だけでは終わらせない、リーダーシップや主体性まで育てる活動にしたい」と語る。短尺ラチェットの開発や作業車バケットの改良など、女性ならではの視点を生かした提案が続々と形になり、会社全体の作業効率や安全性向上にもつながっている。

 夏用作業服の刷新は、「清潔感と快適さ」「誰もが着やすいデザイン」に配慮し、男性社員にも好評だという。パンツの生地は薄く涼しくし、下着のラインが出ないように腰回りは厚地にするなど“細やかな配慮”が詰まっており、現場の「当たり前」が見直された。

NTTフィールドテクノのこれまでの取り組み NTTフィールドテクノのこれまでの取り組み 提供:NTTフィールドテクノ

 活動の中で生まれたロゴは、社内チャットツールや研修資料にも活用し、社員同士の意識共有と誇りの象徴となっている。今後は、社内の連携ツールにロゴを展開するだけでなく、イベントやSNSでも積極的に発信していく方針だという。柚津氏は、「本活動は生産性向上と採用ブランディングの両面で効果が出ている。現場改善とイメージ戦略は両輪だ」と付け加える。

SHINING活動のロゴとコンセプト SHINING活動のロゴとコンセプト 提供:NTTフィールドテクノ

 9期目となる2025年は、他社との意見交換を通じた視野の拡張や社外発信の強化を掲げ、活動の輪は年々広がりをみせている。「制度は整っていても、現場の理解が得られるのか」との問いに柚津氏は、「現場の空気を変えるのは、一人ひとりの行動と思い。SHINING活動はそのきっかけを各地で生み出してきた」とし、現場社員を巻き込んだボトムアップのアプローチに自信を見せた。

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