パビリオンはサステナブル建築を目指し、家電製品のリサイクル素材が多数利用されている。パナソニックホールディングス 万博推進プロジェクト 総合プロデューサー 原口雄一郎氏によると、以下のリサイクル素材が使用されているそうだ。
・リサイクルガラスはドラム式洗濯乾燥機「約9200台」分を外構部の舗装ブロックに活用
・リサイクル鉄はパビリオンで利用する鉄(付帯鉄骨、リース部分、ファサードを除く)の約82%、主な柱/梁(接合部のプレートなどを除く)の約98%にあたる「97.1トン」
・リサイクル銅は主要幹線ケーブルの銅として「約1.2トン」
「リサイクルは、私たちだけで実現できるものではなく、サプライチェーン全体の協力が必要だった。長年にわたり培ってきた家電リサイクルのネットワークが、パビリオンにも生かされている」(原口氏)。万博終了後も素材をリスト化し、解体後に再利用する計画だ。
パビリオン内の4つのZONEで構成する「Unlock体験エリア」では、子どもたちが五感を解き放ち、感覚を研ぎ澄まし、創造力を「Unlock」できる約30分間の非日常空間を提供する。筆者も童心に戻って体験してきた。
ZONE1「カガミイケの奥深く」では、まるで異世界への扉を開くかのような体験が待っている。暗闇に包まれた部屋に足を踏み入れると、高音質スピーカーによる立体音響が響き渡り、高輝度プロジェクターが光の幻想を生み出す。床から伝わる振動が全身を包み込み、音/光/振動が融合したクロスモーダル(感覚複合的)体験が始まる。
高音質スピーカーで構成された立体音響サウンドシステム、高輝度プロジェクターと連動する振動で、いつもとは違う環境の中で心が解放される瞬間を味わえる。
響き渡る声に導かれ、ZONE2「ノモの森」へ進むと、一人ひとりが特別な「結晶」を手に入れる。結晶には無線タグ(RFID)が組み込まれており、森の中に点在する岩や木のオブジェにかざせば、光や音、風が生まれる。自分の動きが森の生命と響き合うような感覚に包まれ、まるで森と対話しているかのようだ。さらに、6台のカメラが体験者の行動を分析し、無線タグとカメラの情報から次のステージの体験につながる仕掛けになっている。
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