大林組は、建設現場付近の路上待機車両を削減するため、地域の建設資材納入車両を1箇所に集約する物流拠点「エコロジサイト」を東京都、神奈川県、大阪府の3地域で開設し、トライアル運用を開始した。今後、大林組が施工する現場を対象としたトライアル運用の実施結果を踏まえ、効果が確認できれば、建設現場が集中している地域でエコロジサイトを展開し、関係省庁や他の施工会社との連携により、業界全体での社会的課題解決に向けた取り組みとして拡大させていく。
大林組は、建設現場付近の路上待機車両を削減するため、地域の建設資材納入車両を1箇所に集約する物流拠点「エコロジサイト」を東京都、神奈川県、大阪府の3地域で開設し、トライアル運用を開始したことを2022年9月9日に発表した。
建設現場では、多様な資材が大量に搬入されることから、効率的な資材搬入を実現するために、搬入の順序や予定時刻をあらかじめ決定している。通行ルートも事前に調整し、納入業者を通じてドライバーに指導することで、近隣の迷惑とならないように対策を講じている。
しかし、運行状況などにより資材搬入が計画通りに進まない場合には、時間調整のために資材搬入車両を路上待機させる必要があり、交通渋滞やアイドリングによる排気ガスの排出など、周辺に悪影響が生じている。
そこで、大林組は、「地球環境に配慮し、良き企業市民として社会の課題解決に取り組む」という企業理念を踏まえ、地域における建設資材搬入車両の待機場所となる物流拠点のエコロジサイトを開設し、トライアル運用を開始した。
エコロジサイトは、一定の範囲内(およそ30分圏内)にある建設現場に出入りする車両の待機場所とすることで、現場に予定時刻通りに搬入することを実現する他、現場周辺の待機車両による交通渋滞や事故を防ぐとともに、排気ガスを減らし、CO2の排出量を抑える。
さらに、車両待機の用途だけでなく、資材の仮置きや積み替えヤード、組み立てなどの作業場としても活用し、運搬作業や狭小な現場で施工の効率化を図る。加えて、効率的な資材運搬で、拘束時間の短縮や休憩施設の提供を達成し、ドライバーの処遇改善にもつなげる。
具体的には、エコロジサイト付近に点在する建設現場から事前に利用日時を予約し、車両の待機場所として使用するだけでなく、ドライバーは搬入時刻に合わせてエコロジサイトを出発することで、予定時刻通りに建設現場に資材を運べるため、工事現場周辺の待機車両が引き起こす可能性がある交通渋滞や交通事故の発生、アイドリングによる排気ガスなど環境への悪影響を抑制する。
なお、東京のエコロジサイトでは、大林組が開発した工事車両管理支援システム「FUTRAL」の試験適用もあわせて検討しており、周辺環境の保全も行う。
大型車両による資材の搬入が困難な現場などでは、エコロジサイトに資材を一時的に仮置きし、小型車両に積み替え、各現場への搬入を達成することで、終始小型車が運搬するより総走行距離を減少し、運搬業務の効率化と排気ガスの抑制を実現する。
今後、トライアル運用では、エコロジサイトでEVトラックなどを用意することも検討しており、エコロジサイトと現場間の運搬における環境負荷を減らしていく。
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