オリバーは、械を搭載した機能性オフィス家具「スマファ」シリーズの1つとして、シンテックホズミと共同開発したロボットを活用して、家具のレイアウト変更を自動で行えるシステムを開発した。
国内では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、フレキシブルな働き方や知的創造を促すコミュニケーションを後押しするオフィスがさまざまな企業に求められている。
そこで、オリバーは、高効率で人間的な働き方をオフィスで実現するために、機械を搭載した機能性オフィス家具「スマファ」シリーズの開発と製造を進めている。2020年には、スマファシリーズの製品として、電動昇降するディスプレイモニターやワイヤレス充電機能を内蔵したワークデスクを開発。
2022年には、スマファシリーズの最新製品として、シンテックホズミと共同開発したロボットを活用して、家具のレイアウト変更を自動で行えるシステムを開発した。オリバーは、「【東京】総務・人事・経理Week」(会期:2022年5月11〜13日、東京ビッグサイト)内の「第9回働き方改革EXPO」で、開発したシステムのデモンストレーションを行った。
会場で、オリバー 営業統括本部 WPS開発部 部長 魚返 浩司氏に、新システムの開発経緯や機能、今後の展開について聞いた。
――新システムの開発経緯とは?
外崎氏 スマファシリーズの中には、さまざまな場所に自動で移動するAGV付きのソファやデスクといったオフィス家具があるが、レイアウト変更を容易にするために、オフィス内に配置する全てのデスクやソファをAGV付きにする際にコストがかかりすぎるという問題があった。そこで、1台のロボットにより、オフィス家具のレイアウトを変えられ、全てのデスクやソファをAGV付きにするよりも費用を安価に抑えられる今回のシステムを開発した。
――システムの機能と今後の展開について
システムは、室内に設置されたカメラで取得した映像を基に、シンテックホズミと共同開発したロボットをAI制御し、部屋の中に設置されたオフィス家具の配置を変える。使用するロボットは、先端部のパーツでイスなど小型の家具を運べ、本体上部では棚や机といった大型の家具を運搬できる。
具体的な作業手順はまず、システムに複数の家具レイアウトを登録する。次に、スマートフォンやタブレット向けの専用アプリで、登録したレイアウトを選ぶと、そのレイアウトに合わせて、ロボットが家具を動かす。こういった機能により、オフィス家具のレイアウト変更で生じる手間や時間を削減し、従業員が創造的な業務に時間をかけられる。
今後は、第9回働き方改革EXPOの来場者から寄せられた意見などを反映し、システムの改良を進め、量産化を検討する。
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