宮城県岩沼市で5.1万m2の物流施設が竣工、プロロジス：リテール＆ロジスティクス

プロロジスは、同社がスポンサーを務める日本プロロジスリートが宮城県岩沼市で計画を進める「プロロジスパーク岩沼」の竣工式を行った。プロロジスパーク岩沼の敷地には、2008年10月に、マルチテナント型施設として「プロロジスパーク岩沼1」が竣工したが、2020年4月に発生した火災により焼失し、「プロロジスパーク岩沼」として再開発した。プロロジスパーク岩沼では、既にプラス ロジスティクスと製造装置の研究・開発・製造メーカーの入居が決定しており、約80％の面積で賃貸契約を締結済みだ。

[BUILT]

　プロロジスは、同社がスポンサーを務める日本プロロジスリートが宮城県岩沼市で開発を進める物流施設「プロロジスパーク岩沼」が竣工したことを2022年5月11日に発表した。

仙台空港と「仙台空港」駅から約2キロの場所に立地

　開発地は、仙台空港から至近の「岩沼臨空工業団地」内に立地している。岩沼臨空工業団地は、仙台空港と「仙台空港」駅から約2キロの場所にあり、仙台市中心部から約15キロで、仙台港から約18キロのエリアに位置している他、仙台東部道路「仙台空港インターチェンジ（IC）」と「岩沼IC」から車で数分と、さまざまなアクセスに優れる。

　そのため、宮城県内だけでなく、東北地方全体への戦略的物流拠点としての利用が見込まれている。さらに、岩沼市は、県や国と連携し、防潮堤、河川防堤、かさ上げ道路、防災公園の整備などで津波対策を行っており、東日本大震災と同程度の津波が起きても市内の安全を確保できることがシミュレーションによって確認されている。

　プロロジスパーク岩沼は、地上2階建てで、同じ所在地にあった施設「プロロジスパーク岩沼1」には設置されていなかったスロープを設け、2階への45フィートセミトレーラーと21メートルフルトレーラーの直接アクセスが可能。

「プロロジスパーク岩沼」　出典：プロロジスプレスリリース

　これにより、東北エリアでは希少なワンフロアオペレーションを実現し、効率的な物流オペレーションをサポートしているだけでなく、トラックバースや荷さばきスペースを十分に確保し、プロロジスパーク岩沼1以上に機能を拡充して、入居企業の物流作業と搬出入の効率向上につなげた。

　建物は、最大6社が入居でき、最小区画は5619.835平方メートルからの賃貸に応じる。1階は、食品系企業からニーズの高い両面バースを採用し、東北エリア全域への配送拠点として食品・消費財などの物流需要にも対応する。2階は、有効天井高6.5メートルを確保することで4段のパレットを取り付けられ、日用雑貨などを効率的に保管。

　敷地内には、化粧品やアルコール類の保管にも対応する小型倉庫も併設し、さまざまな業種・用途の物流ニーズに応える。施設の外周には大型車両が走れる車路を整備しただけでなく、トラックの待機スペースも十分に用意した。加えて、今回の施設で働く従業員のため250台の乗用車用駐車場を備え、利便性の高い職場環境を整えた。

　BCP対策に関しては、防災対策消防ホースの水圧を利用して外部から開錠可能なシャッターを採用するなど、所轄消防署とも協議し消火活動に有効な対処策を講じた。また、津波や水害による浸水対策として建物レベルを1.5メートル高く設定し、緊急地震速報システムや衛星電話、72時間程度の電源を確保する非常用発電機を実装すると同時に、断水対策も施した。

　環境配慮については、通常のLED照明比で電力使用量を半減する高天井用センサー付きインテリジェントLED照明（プロロジス共同開発）を導入し、施設屋根面に約3.8メガワットの太陽光発電を配置することが予定されている。

プロロジスパーク岩沼の概要

　プロロジスパーク岩沼は、S造地上2階建てで、延べ床面積は5万1120.64平方メートル。所在地は宮城県岩沼市空港南3丁目2-35で、敷地面積は4万5704.77平方メートル。着工は2021年3月で、竣工は2022年4月を予定している。