熊谷組は、清本鐵工とともに、高品質なバイオマス燃料となる「ブラックバークペレット」を開発した。現在、地方自治体や地元火力発電事業者と連携し、地域特性に合わせて、ブラックバークペレットを用いた地産地消のエネルギー循環システムを展開している。
熊谷組は、清本鐵工とともに、国内林業の活性化、カーボンニュートラルの実現、電力安定供給への貢献を目指し、高品質なバイオマス燃料となる「ブラックバークペレット(以下、BBP)を開発したことを2021年12月13日に発表した。
木はCO2を吸収する森林吸収源として大切な役割を果たし、伐採後は製材し木製品として生まれ変わる。製材時に発生するバーク(木の皮)は現在用途がなく、処理する際には廃棄物として扱われている。
こういった状況を踏まえて、熊谷組は、バークを原料としたバイオマス燃料の開発に取り組んできた。一方、清本鐵工では、2007年からバークペレットの開発に挑戦し、既に商品化している。
両社は共同で、バークペレットをさらに進化させた高品質のバイオマス燃料であるBBPの開発に成功した。BBPは、バーク材と少量の植物性由来廃油を主原料とし、バーク材を半炭化し廃油を特殊手法で含浸して製造する。
熱量は1キロ当たり6000キロカロリー(石炭と同等水準)で、混焼率は最大30%を超える。さらに、高耐水性で野積み保管可能で、1工場当たりの生産量は3万〜3万5000トン。
原料のバーク材は、国産材の専門商社である住友林業フォレストサービスが調達を担う。
今後は、BBPが石炭火力への混焼材としても優れている点を生かし、混焼によるCO2の削減とカーボンニュートラルへの貢献や電力供給の安定化を目指す。加えて、海外材に頼らず国内の地域材を使い、地域でBBPを製造、地域への販売、環境に優しい電力供給を目的として地産地消のエネルギー循環システム構築を推進する。
2022年には、愛媛県西条市でBBPを用いた地産地消のエネルギー循環システムを構築する見通しだ。また、地方自治体や地元火力発電事業者と連携し、協議して地域特性に合わせた地産地消のエネルギー循環システムを全国展開していく。
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