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» 2021年08月04日 10時00分 公開

【第3回】AIを土木へ活用していくための3つの応用法、現場業務DXまでの道のり“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(3)(1/2 ページ)

ここ数年、国が旗振り役となって推進しているi-Constructionの進捗により、土木分野でのAI活用が進んでいる。本連載では、「土木学会 構造工学でのAI活用に関する研究小委員会」で副委員長を務める阿部雅人氏が、AIをどのように使いこなしていくかの観点から、AIと土木の現状や課題、その先の将来ビジョンについて考えていきます。連載第3回は、土木領域でAIを活用するうえで、どのような応用方法が想定されるかについて説明します。

[阿部雅人(土木学会 構造工学でのAI活用に関する研究小委員会 副委員長),BUILT]

 今回は、AIを土木へ活用していく方法を考えてみましょう。

 機械学習は、データから学習する仕組みですから、どのようなデータがあるのか、あるいは得られるのかが、最初に考えるべきポイントになります。最近のIoTの発展は目覚ましく、従来と比べて、はるかに大量の高品質のデータが得られるようになったことが、現在のAIの進歩を支えています。通常は、得られたデータをそのままを利用するのではなく、データにラベル付けなどをして正解データを作成する「アノテーション」という作業によって学習用データを作ります。言い換えると、アノテーションによって、AIに正解を教えることになります。ですから、AIに適し、AIにとって分かりやすい方法でアノテーションする必要があります。

AIを学習させるために不可欠な「アノテーション」

 また、何をAIにやってほしいのか、ニーズを明確にすることも重要です。当然ですが、ニーズによって必要なデータやアノテーションの方法も変わります。例えば、ひび割れを見つけるのであれば、ひび割れの画像を集めて、ひび割れ有無の正解データを作成することになるでしょう。

 そして、そのデータやニーズに適したAIの手法を選定したり開発したりすることになります。各手法には、得意不得意がそれぞれありますから、データやニーズの特徴をよく理解しながら選定します。

 データも手法もニーズも日々新しいものが生まれてきています。次の図のように、データ・手法・ニーズの組み合わせを見つけていくことで、有効な応用・ユースケースが作り出されていきます。新たなユースケースをプロデュースしていくには、データ、手法、ニーズに対するバランスの良い理解と創造力が求められます。

データ・手法・ニーズを組み合わせることでユースケースを作り出す
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