甲子化学工業のアームスライダー/アームハンドルは、取っ手に掌で触れずに扉を開閉できるこれまでにない建具。既存のドアノブに両面テープなどで手軽に取り付けられ、多くの菌が付着する手をドアの開け閉めのときに触れないようにすることで、新型コロナウイルスなどの感染抑止が期待できる。
甲子化学工業は、住宅、ビル、商業・公共施設など、あらゆる建築物を対象とした建築総合展「第5回 住宅・ビル・施設 Week」(会期:2020年12月2〜4日、東京ビッグサイト)内の「第3回 施設リノベーション EXPO」で、手を使わずに室内のドアの開閉ができる補助製品「アームスライダー」などを出品した。
今回展示した製品は、いずれも抗菌性のあるナイロン素材製で、既存の取手に追加して導入することが可能だ。
新型コロナウイルスの感染防止の目的で、手の消毒・除菌に対する関心は日増しに高まっている。とくに、不特定多数の人が触れるドアノブは「菌・ウイルスの温床」とされ、触れた後の手洗いや除菌が強く求められるようになった。
ドアノブなどに触れて人の手に付着した菌やウイルスは、その手で無意識に口や目などに触れることで体内に取り込まれる。にもかかわらず、トイレの後でさえ手を洗わない人が15%以上いるという調査結果※もある。
※ 参考資料:2015年 消費者庁「消費者の手洗いなどに関する実態調査について」
甲子化学工業が披露したアームハンドルやアームスライダーは、手ではなく腕でドアを開閉する。手のひらや指先に比べ、顔や口などに触れる機会が圧倒的に少ない腕をドアや扉の操作に活用することで、ウイルスや菌との接触リスクが大幅に低減する。
甲子化学工業の製品は、手軽に使い始められるのも特徴となっている。既存のドアハンドルやスライドロックなどを取り外すことなく、両面テープや結束バンドなどで簡単に取り付けられる。施工時に必要なものは、全てパッケージに同梱されている。甲子化学工業の担当者は、取り付けに必要なものは一般的なハサミだけで、作業自体も慣れれば1分程度で行えるようになると話す。
ちなみに、製品には菌やカビなどの繁殖を抑制する抗菌剤が練り込まれている。このため、使い方が分からない人が指や手のひらなどで触れても、菌の繁殖が抑制できるという。
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