2万円で始めるリノベ、壁に特化した「DIY」と「職人施工」の塗装サービス始動リノベ(1/3 ページ)

インフラメンテナンスやマンション大修繕を手掛けるカシワバラ・コーポレーションの原点は「塗装」にあるという。不動産デベロッパーや設計事務所が持っていないこの強みを、近年盛り上がりを見せる住宅のリノベーション市場に持ち込んだ新サービスを立ち上げた。新規事業では、住宅の中でも面積を占める“壁”を塗り変えることに着目し、職人技の体感と塗装体験という2つのアプローチからシェア獲得をうかがう。

» 2019年11月11日 05時37分 公開
[石原忍BUILT]

 カシワバラ・コーポレーションは2019年11月8日、住宅で壁の塗装に特化したリノベーション事業「WALL RENOVATION」をスタートさせた。

壁塗装のプロが持つ知識と技術を住宅の内装壁に

 WALL RENOVATIONは、住宅の壁1面から約2万円の低額で塗り替えを支援するサービス。住宅市場で、リノベやリフォームの多様な需要が高まっていることを受け、高額なフルリノベーションではなく、住宅の中でも広い面積を占める“壁”を対象に1面からオーダーを受けることで、コストを抑えながらも家の雰囲気を一新させたいニーズを掬(すく)い取る。

「WALL RENOVATION」の2つのサービス「NULL.」と「ie iro」のキービジュアル

 カシワバラ・コーポレーションは、「柏原塗装店」として1949年に創業して以来、建築塗装を手掛けてきた、まさに塗装のプロ。今回のサービス展開は、これまで培ってきた壁面塗装の知識や技術を、住宅の壁にも応用し新たな市場を開拓する試みといえる。

 塗装のデザインは、数百種類以上にもおよぶ塗料に加え、調色することで自然界にある色を再現することも可能だ。消臭・抗菌や防カビ、花粉・アルデヒド吸着、防虫、防音など、機能塗料も揃(そろ)えており、壁を塗るだけで暮らしをより快適にする副次的効果も生まれる。

 ターゲットは、戸建て住宅やマンション、商業店舗の法人やテナントの他に、一般消費者も見込んでいる。そのため、提供するサービスでは、職人が施工する「NULL.(ヌル)」と、DIYの要望に応えた居住者自身が塗装する「ie iro(イエイロ)」の2ブランドから選択する形を取っている。

 NULL.は独特の風合いでリフォーム素材として人気のある珪藻土(けいそうど)をはじめ、コンクリートやモルタルなどの多様な素材を使って、塗装工が卓越したコテ技術で仕上げる。

NULL.の施工イメージ。左から、ニュアンスを楽しむ珪藻土、モダンの中にも和の香り(素材:珪藻土)、意匠感のある表情(素材:モルタル) (クリックで拡大)

 国内では壁の装飾は、壁紙や化粧シートが主流となっているが、これをあえて塗装とすることで、熟練の塗装職人による微妙なニュアンスや質感の表現など、同じものが2つと存在しないオリジナルの壁面に生まれ変わる。職人が塗る場合は、下塗り、中塗りと、最短でも2日を要するため、価格は10万9000円〜の設定となっている。

壁の塗装で職人が使うキット見本
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