大成建設は、空調の省エネ化と作業現場の最適化を推進する新空冷システムを開発した。
大成建設は、工場などで使用される生産装置から発生する内部発熱の室内への拡散を抑制する液冷システム「T-Liquid Cooling」を開発した。
生産施設では、さまざまな生産装置から発生する大量の熱が、空調への負荷や従業員の作業環境に影響を及ぼしている。
これまで、7度の低温冷却水を循環させ19度の冷気を発する冷凍機を用いて室内全体を冷やしていた。だが、冷却水の生成に大量のエネルギーを要することに加え、冷風があたる箇所により温度に差異が出るという課題があった。
T-Liquid Coolingはこれらの課題を解決している。T-Liquid Coolingは、配管を埋設した樹脂製パネルを生産装置の表面温度が高い部分に取り付ける。中温冷却水を配管に流すことで、生産装置の内部発熱を直接かつ効率良く冷却し、フロア内の温度を均一化することを実現している。
電子デバイス系の生産施設をモデルとした場合、室温26度の室内で、表面温度50度の熱を排出する生産装置が50台あるケースで試算すると、従来の冷凍機を用いて空調管理する場合と比較し、40%以上の省エネ効果が見込めるという。
T-Liquid Coolingは、2018年8月に竣工した同社の技術センター次世代研究開発棟に採用されており、現在、実証試験で性能を検証している。
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