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» 2019年04月18日 06時06分 公開

RPA:RPAでトンネル切羽の評価点を自動予測、プロジェクターで安全性を色分けして投影

安藤ハザマは、トンネル切羽安定度予測システム「TFS-learning」に、RPAを用いて切羽前方の評価点を予測して地山等級を判定する機能と、カラーコンター図を切羽に投影するプロジェクションマッピング機能を追加した。

[BUILT]

 安藤ハザマは、トンネル切羽安定度予測システム「TFS-learning(Tunnel Face Stability calculate system by machine learning)」に、新しく切羽前方の切羽評価点を予測する機能を追加するとともに、切羽面にカラーコンター図をマッピングする機能を追加した。

長尺削孔データの解析はRPAで完全自動化

 2016年に同社が開発したTFS-learningは、発破孔の削孔データ(削孔速度、フィード圧、打撃圧、回転圧)をもとに、発破後に露出する切羽の安定度を予測するシステム。切羽安定度の評価指標には、切羽評価点を用いるため、定量的で精度の高い予測が可能となる。

 また、切羽の安定度をカラーコンター図で表示させる機能もあり、不安定箇所を暖色、安定箇所を寒色にそれぞれ表現し、安全性の可視化も行っており、切羽作業の安全性を確認する技術として、現在まで発破掘削方式の現場に多く適用されてきた。

 一方で改善点もあり、長尺鏡ボルトや削孔検層など、長尺削孔データを用いた切羽前方探査には対応しておらず、その適用は発破掘削方式の現場で安全対策にのみに限定されていた。カラーコンター図についても、PC画面だけで閲覧するため、予測結果の確認者も限られていることが課題だった。

 今回の改良で、TFS-learningは長尺削孔モード機能と、フェイスマッピング機能を追加した。長尺削孔モード機能では、長尺鏡ボルトや削孔検層などの長尺削孔データを用いて、切羽前方(10〜30メートル)の切羽評価点を予測し、地山等級を判定する。データ解析には、単純な作業を自動化する技術「RPA(Robotic Process Automation)」を採用したことで、完全自動化が実現した。

長尺鏡ボルト 削孔データの一例 出典:安藤ハザマ
TFS-learningのシステム画面 出典:安藤ハザマ

 マッピング機能では、TFS-learningの予測結果として出力されるカラーコンター図を1万ルーメン以上の明るさのプロジェクターで切羽面へ投影。切羽に直接、カラーコンター図を投影することで、全ての切羽作業員が切羽の不安定箇所を視認可能になった。

トンネル切羽に基礎実験用のコンター図を投影したフェイスマッピング基礎実験 出典:安藤ハザマ

 TFS-learningによる効果は、掘削前に切羽前方の切羽評価点を把握できるため、今後掘削する箇所の最適な支保パターンや補助工法の選定に役立つ。また、全ての切羽作業員が次に掘削する切羽の不安定箇所をリアルタイムに把握できるため、切羽作業の安全性も向上する。

 実施工の適用では、国土交通省北陸地方整備局発注の「国道8号柏崎トンネル(山岳部)工事」(工期2017年12月2日〜2020年12月28日)で導入。新潟県柏崎市に位置する延長1128メートルの機械掘削方式によって施工する山岳トンネルで、施工者は安藤ハザマ・植木JV。この現場では、長尺鏡ボルトの削孔データから切羽前方の切羽評価点を予測し、地山等級の判定に活用している。

 安藤ハザマでは、「実現場でフェイスマッピング機能の基礎実験を行い、山岳トンネル現場への実用化にめどがついた」としている。今後は、施工する山岳トンネル現場へと展開していく方針を示している。

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