ドン・キホーテは、再開発が進む渋谷エリアで、同社初の超高層複合ビルの建設を計画している。計画地は「ドン・キホーテ渋谷店」跡地の一部を含めた道玄坂二丁目の敷地で、ここに地上28階建ての店舗、ホテル、オフィスが入る複合施設を2022年の完成を目指し建設する。
国内で379店舗を展開するドンキホーテホールディングスは2018年8月13日、東京・渋谷で計画中の「(仮称)渋谷区道玄坂二丁目開発計画」のプロジェクト概要を明らかにした。
計画では、道玄坂二丁目交差点に面する敷地5737.48m2(平方メートル)に、S・SRC造(一部RC造)の地下1階・地上28階(最高高さ120m)建て、複合施設を建設する。施設は、店舗、オフィス、ホテル、駐車場、駐輪場で構成され、延べ床面積は4万950m2(平方メートル)。各階の配置は、文化村通りに面する1〜3階は店舗、4〜10階はオフィス、11階以上はホテルとなる見込み。
建設予定地は、文化村通り沿いの敷地への移転のため、閉店した「ドン・キホーテ渋谷店」の跡地。周辺には、繁華街裏手の大規模な空閑地であることや、老朽化した擁壁、狭い周辺道路や行き止まり道路があるなどの課題があった。これらの問題点は、再開発により解消されるとしている。
既存建物の解体工事は、熊谷組の担当で2018年1月に着手し、2019年2月末までに完了させる。区画整理は2018年9月〜2020年12月に行い、新築工事は2019年1月に着工し、2022年4月に竣工する見込み。
開発の目標としては、商業面で「街の結節点」となる立地特性、オフィス機能ではクリエイティブなオフィスワーカーをターゲットにしたビジネス環境の構築、宿泊施設では渋谷のホテル需要に対する強化をそれぞれ図り、複合開発による拠点形成を目指す。
導線計画では、駅周縁部に拠点を形成することで、渋谷全体における回遊ネットワークの活性化に貢献。敷地の中を動線でつないでいくことで、街の新しい回遊空間を創出する。
また、狭隘(きょうわい)や行き止まり道路を一部撤廃し、敷地内に安全な道を通すことで防犯性の向上を図る。老朽化した擁壁や建物も撤去し、耐震性の高い建築により大地震に備える。さらに11、12階のホテル共用部を帰宅困難者受け入れスペースに設定し、防災備蓄倉庫を配備することで、エリアの防災拠点として機能も考慮するとしている。
ドンキホーテホールディングスは、国内でディスカウントストア「ドン・キホーテ」313店を中心に、他の業態も合わせると合計379店(2018年6月時点)を運営。東京五輪が開催される2020年には、海外店舗も含め店舗数500店を目標に掲げている。2018年度の新規出店は25店で、このうち8店が都内での新規オープン。2019年度も目黒駅前をはじめ、都内での出店攻勢も継続させていく見通しだ。
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