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» 2018年08月14日 06時00分 公開

ジョンソンコントロールズが考える“BAS”を進化させたスマートビルの未来像BAS(2/2 ページ)

[石原忍,BUILT]
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縦割りだったビルシステムを統合して生産性を向上

 ビルの環境性能を評価する基準では、「CASBEE」「LEED」に次ぐ、人間の健康という評価を追加した「WELL Building Standard」(WELL認証)」が米中をはじめ日本でも広がりつつある。そのため、今後は快適性の重要度が増すとして、温湿度、照度、エネルギー、CO2などを計測し、Metasysでデータを監視する。オープンプラットフォームでこれらをつなぐことで、センサーの増設が容易で、ワイヤレスであれば配線は不要となり、レイアウトの変更も柔軟にできる。設備の最適化から人の最適化を目標としている。

 3つ目のワード「生産性向上」は、今まで縦割りだったビルを取り巻く、通信ネットワークなどの“ITインフラ”、財務・会計・人事などの“業務システム”、そして“ビル設備システム”を統合。「BWSI(ビルディングワイドシステムインテグレーション)」として、横の連携による作業の効率化やリスク低減、コストカット、快適性向上を図る。

生産性向上に向けたBWSIのイメージ

 具体的なイメージとしては、会議室を予約する際に、同僚の位置情報を把握し、空調・照明・OA機器を自動でスタンバイ、顔認識で入退室管理、退室後の自動消灯といった一連の操作をスマートフォンやタブレットで1度に行えるようにする。

 病院では、ベッドセンサー、ナースコール、空調・照明制御、監視カメラを連携させ、患者がベッドから転倒したなどの緊急時に、素早く対応できるシステムを構築し、安心の提供や業務の効率化につなげる。

病院でのBWSIの利用イメージ

 ジョンソンコントロールズでは、これら3つのキーワードを組み合わせ、Metasysを中心に、次世代のBASとして進化させることで、暮らしや働き方の変化に対応するスマートビル・スマートシティーの実現を目指す。

 一つの理想像として、米国オハイオ州で2019年のオープンに向けプロジェクトが進められているアメリカンフットボールの殿堂施設「ジョンソンコントロールズ ホール オブ フェイム ビレッジ(Johnson Controls Hall of Fame Village)」が示された。

 この施設は、80万m2もの敷地に、スタジアム、殿堂博物館、バーチャルリアリティを活用したアミューズメントエリア、ホテル、店舗、レストラン、屋内スポーツ施設が集約。スポーツとエンタテイメントが融合したスマートシティーが具現化されている。

 施設の管理は、ITを駆使し、敷地内のBAS、HVAC、セキュリティシステム、防火・防災システム、照明機器が統合され、建物全体の運用管理を統合することで、これまでにない安全で快適な環境を提供する。観客席でネット接続が可能な他、窓のシェードが太陽の動きに合わせて調整されたり、自然光が部屋に入ると照明を自動でコントロールしたり、建物に出入りする人を顔認識で識別したりと、最先端のビル管理システムが整備され、ジョンソンコントロールズが構想する未来のBASの姿がここにある。

ジョンソンコントロールズ ホール オブ フェイム ビレッジ
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