リコーは「IGAS2018」で、同社初の産業印刷向け大判UVフラットベッドインクジェットプリンタ「RICOH Pro T7210」による建装材の制作提案を行った。
リコーは「IGAS2018」で、同社初の産業印刷向け大判UVフラットベッドインクジェットプリンタ「RICOH Pro T7210」による建装材の制作提案を行った。
「RICOH Pro T7210」は、リコー独自のインクジェット方式を採用した大判UVフラットベッドIJPで、2018年春からドイツやイタリアなどの欧州エリアで先行販売を実施している。同社では、これまで高耐久性や高吐出性をウリとする自社インクジェットヘッドとインクをプリンタメーカーに供給する事業を展開している。
今回、産業印刷向け大判UVフラットベッドIJPを開発するにあたり、40年を越えるインクジェット技術とオフィス印刷で培ってきた画像処理技術を結集し、高生産と高画質の両立を実現。主な特徴としては、12個のヘッドを3列の千鳥状に配置することで、4色印刷時に最大で毎時100m2(平方メートル)の生産性を達成した。印刷サイズは最大2100×3200mm(ミリ)で、壁・扉・家具などの建装材で多く使用される1220×2440mmの4×8板サイズへ対応。これに加え、3×6尺ボードの基材であれば3枚同時にセットすることもできる。印刷厚は最大110mmまで対応し、様々な建材への印刷を可能にするとしている。
オリジナルの高密着UVインクは、多種多様な基材に対して高い機密性を発揮。印刷素材はアクリル、ガラス、木材、アルミ、鋼板などに適応し、建材やインテリア家具といった幅広い用途で活用が見込める。インクの種類はCMYKの4色、CMYK+WhiteまたはCMYK+Clearの5色、CMYK+White+Clearの6色から選べる。プライマーインクは標準搭載。
このほか、ラテックスインク搭載の「Pro Lシリーズ」後継機となるロールタイプIJPも参考出品した。出力スピードは標準モードで毎時25.1m2の高い生産性を最大の特徴とする。ノズル清掃カートリッジの搭載による自動メンテナンスのほか、白インク未使用時は置換液に差替えることでインクの無駄遣いをなくす。メディアベンチを搭載しているため、出力物設置時の負担軽減につながる。
現行のPro Lシリーズは、サイングラッフィックス以外の工務店やハウスメーカーにも導入され、デジタルプリント壁紙や分譲告知のターポリン出力にも使用されており、建装材分野での用途展開が今後見込まれる。発売は年内を予定している。
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