味の素スタジアムのラグビーW杯・東京五輪に向けた改修工事が、2018年7月に着工する。施工は西武/協栄JV。ラグビーW杯後には、車いす利用者のための観客席を整備する第2期工事も行われる予定。
味の素スタジアムは2018年6月1日、ラグビーワールドカップ2019および2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向け、第1期の改修工事に2018年7月1日に着手することを明らかにした。
改修工事では、老朽化に伴う設備更新をはじめ、バリアフリー化、施設機能の向上などを行う。設備更新では、競技用照明のLED化、特別観覧席や既存観客席のリニューアル、受変電設備も一部を新しくする。客席数は現在の5万席のまま。施設機能では、LEDリボンビジョンや高さ17mのゴールポストを新たに設置する。
工事期間は2018年7月1日から2019年6月30日まで。これまでに、2016年度に基本設計、2017年度に実施設計を経て、2018年度初頭には契約手続きを完了させている。
2019年のラグビーW杯後には、東京五輪に向けて第2期となる仮設工事を行う予定。工事内容は、東京五輪の組織委員会らが策定した「アクセシビリティ・ガイドライン」に基づき、車いす席328席を設置することがメインとなる。
また、エレベーターの増設により、車いす客が席にスムーズにたどり着けるようにする以外にも、車いす対応のトイレを増やし、トイレ自体の洋式化も進める。
アクセシビリティ・ガイドラインでは、車いすに乗った観客は、前の席の観客が立ち上がると試合が見えなくなるため、これを解消することを求めている。2017年11月に改修を終えた「武蔵野の森総合スポーツプラザ」は、車いす席に高低差が設けられ、サイトラインを確保する工夫がなされている。同様に、味の素スタジアムでも、3階部分のコンコースを一周する形で、眺望を妨げないように高い位置に車いす席を配置するという。
第1期工事の施工者は、総合評価方式の一般競争入札で、西武/協栄JV(建設共同企業体)が14億6600万円(税別)で落札して決定。第2期の改修工事は、2019年度中の入札を予定している。
味の素スタジアムは、東京五輪で、サッカー、7人制ラグビー、近代5種種(水泳、馬術、ランニング、射撃)の競技会場となる。
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