ビルで「再エネ×水素」活用、東急建設がZEB化改修に省エネビル

東急建設は自社の技術研究所に、再生可能エネルギーを利用する水素エネルギー供給システムを導入する。建物の電力や熱の需要に合わせた再生可能エネルギーの有効利用技術について検証を行い、そのノウハウをZEB提案に活用していく方針だ。

» 2017年07月03日 08時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 東急建設は「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」のモデル事業として、同社の神奈川県相模原市にある技術研究所オフィス棟のZEB改修に取り組んでいる。このほど、その一環として再生可能エネルギーを利用する自立型水素エネルギー供給システムの導入を決めた。

 システムは、東芝の太陽光発電電力を利用するCO2フリーな水素製造・貯蔵・利用システム「H2One」を採用。H2Oneのオフィスビルへの導入は、初の事例になるという。東急建設は今回のH2Oneの導入により、建物の電力や熱の需要に合わせた再生可能エネルギーの有効利用技術について検証を行い、ZEB提案に活用していく方針だ。

技術研究所の外観(出典:東急建設)

 改修中のオフィス棟は築25年を経過した地下1階、地上5階、延床面積約3000m2の建物。2016年度は、外壁の外断熱やLow-eガラスによる窓の複層化など建物外皮の断熱・遮熱性能の強化や照明のLED化の他、壁面太陽光発電の設置を進めてきた。2017年度の改修では、H2Oneの他、地中熱利用システムの導入、高効率な空調熱源・機器への更新、太陽熱利用システムなどを導入する。改修は建物を使用しながら進める予定で、2017年度中に完了する予定だ。

 H2Oneを利用した自立型水素エネルギー供給システムは、既設の太陽光発電による電力と水で水素を製造し、タンクに貯蔵。必要に応じて貯蔵した水素を使って純水素燃料電池により発電し、使用する。発電の際に発生する熱は、太陽熱集熱システムによる温水とともに蓄熱槽に蓄え、夏期は空調用除湿剤の再生熱に、冬期は暖房用熱源として活用する計画だ。さらに、災害時には地域への水素供給も視野に入れている。システムは2017年中に運転開始する予定。

 同社は改修後のオフィス棟を多種のエネルギー源を有効に活用する技術的検証や建物のエネルギー性能を実証する場として利用する。併せて「ZEB体現化モデルとして見せる化」し、新築、改修へのZEB提案に活用していく考え。2017年度は「ZEB Ready」の第三者認証を取得し、以降は「Nearly ZEB」を目指す計画だ。なお、改修工事の一部は、環境共創イニシアチブ「平成28年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」の補助を活用している。

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