自動制御で生産施設の室内環境を最適化、20%の省エネに省エネビル

大成建設は生産施設の室内環境を最適に制御するシステムを開発した。作業員の在室状況や生産設備の稼働状況などに応じて、照明・空調・換気を自動で制御し、約20%の省エネが図れるという。

» 2017年06月15日 06時00分 公開
[陰山遼将BUILT]

 大成建設は生産施設内における生産設備の稼働状況に応じて、施設内の照明、空調、換気を最適に制御できるシステム「T-Factory Next」を開発した。約20%の省エネルギー化を図れるという。

 工場などの生産施設ではこれまで生産設備の稼働状況や作業員の在室状況に関係なく、照明や空調を稼働させている場合も多い。そのため、生産設備の稼働状況に応じて室内環境を最適化し、省エネを図る技術が求められていた。

 T-Factory Nextは、照明、空調、換気の各種設備と、人感センサーを制御するコントローラー、操作パネルで構成する。人感センサーによる作業員の在室状況や生産機械の運転信号、照度や風量などの運転状況や時間などを操作パネルで入力し、運転モードを設定することで、コントローラーがエリアごとに照明・空調・換気を最適に制御する。

T-Factory Nextのイメージ 出典:大成建設

 システムは2種類用意している。1つが生産エリア、生産設備などの単位で個別に制御する「個別制御型」だ。こちらは汎用性が高く、生産設備の改修や変更に柔軟に対応できるという。操作パネルにより生産設備の稼働状況に応じた照明・空調・換気の運転設定および変更を手動で行える。

 もう1つが「中央監視制御型」だ。こちらは中央監視システムにより各生産エリア、生産設備の稼働状況を一元管理して制御する。生産施設全体の室内環境を把握して、エリア毎に最適な制御を行うことで、施設全体の省エネルギー化につなげやすい。

「個別制御型」と「中央監視制御型」のイメージ 出典:大成建設

 今後はT-Factory Nextと製造管理システムとの連携、ネットワークを活用したIoTへの展開などにより、さらに高度な省エネルギー運転が可能となるようシステムの高度化も進める。主に食品工場、医薬品工場、半導体工場などの生産施設を対象に導入を進めていく方針だ。

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