必要なのは電源だけ、屋外現場の映像監視を簡単・低コストに情報化施工

日本ユニシスは屋外現場向けの映像監視サービス「スマートユニサイト」の提供を開始した。通信モジュールが一体化したカメラを利用することで、ネットワーク工事不要で電源さえ確保できれば導入できる簡易性が特徴だ。カメラのレンタル費、通信費などを含めて月額1万円から利用できる。

» 2016年12月06日 06時00分 公開
[陰山遼将BUILT]

 日本ユニシスは2016年12月1日、映像監視サービス「スマートユニサイト」を同日より提供すると発表した。電源さえ確保できればどこでも利用できるのが特徴のクラウド型のサービスで、建設現場などさまざまな屋外現場の映像監視ニーズに対応する(図1)。同社ではスマートユニサイト関連事業で、2020年度までの5年間でカメラ5000台分のサービス契約数を目指す方針だ。

図1 「スマートユニサイト」のサービスイメージ(クリックで拡大)出典:日本ユニシス

 スマートユニサイトは、屋外現場に通信モジュールが一体化したカメラを設置する。撮影した映像はモバイル回線を利用してクラウド上にアップロードする仕組みで、ネットワーク工事が必要ない。さらにこのカメラは各種センサーからの入力接点を備えている。人感センサーや水位センサーなどと連携し、有事を感知した際に映像を自動的にクラウドに送信することが可能だ。センサーが有事を感知した際には管理者に自動でメール通知を行い、その時間の画像や10秒程度の映像を確認できる機能も備える。カメラ側には内蔵のSDカードにすべての映像を約1週間分保存できる。このデータを遠隔から見たい日時・期間を指定して取得することも可能だという(図2)。

 料金体系は月額利用型となっている。カメラのレンタル費用、通信費用、クラウド利用費用をすべて含めて月額1万円から利用できる。

図2 「スマートユニサイト」の閲覧画面のイメージ(クリックで拡大)出典:日本ユニシス

 日本ユニシスは2012年から鉄道事業者向けの映像監視サービス「踏切監視サービス」を提供してきた。同サービスでは20以上の企業・団体への導入実績があるという。今回発表したスマートユニサイトは、夜間の建設現場や太陽光発電所など、さまざまな屋外現場で映像監視のニーズが高まっていることを受け、同サービスをベースに改良を加えたものだ。

 映像監視カメラの品質の強化に向け、カメラの制御ユニットはライブロックテクノロジーズの「CoralEdge」シリーズを採用。障害発生時に自律回復する「SSR(Self Sustaining Recovery)」機能を備えており、屋外環境での利用に適しているという。動作温度環境はマイナス20〜60度まで対応する。カメラとクラウド間のモバイル通信プラットフォームにはソラコムのサービスを採用した。

 さらに従来の映像監視サービスを利用するユーザーから「警察機関から映像提供の協力を求められた際、その対応負荷を軽減してほしい」という要望が多く寄せられたことを受け、スマートユニサイトでは警察機関など第三者へに映像を簡単に提供を行うことができる機能を追加。監視対象、さらに監視現場の希望に合わせて、カメラ画質や画像の取得頻度などの設定も変更できるよう改良を加えたとしている。

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