「VRiel」は、プログラムを変更するだけで不具合箇所を変更したり、追加したりすることが可能。不具合箇所をランダムに組み替えることで難易度を調節し、同一の受講者が何度でも研修を受けることができる。また、実物のモックアップと異なり、不具合個所について正解モデルと不正解モデルとをVR上で瞬時に切り替えられることから、受講者は視覚的に何が間違いか、本来どうあるべきかを知ることが可能だ。
さらに、受講者はVR上を移動したり、首を動かして視界を上下左右に動かしたり、工事現場と同様に身体を動かすことができる。施工管理に必要な図面や基準図、計測用のコンベックスなどはすべてVR上で確認、使用することが可能だ。実際の工事現場と同様の環境で学習することにより、不具合に気付く感性を身に付けられる。
このほか、VR教育用に作成した教育プログラムを流用し、タブレット端末でも学習できるように、システム開発を進めている(図3)。
大林組は、VR技術を活用し技術者教育の充実を図ることでさらなる品質の向上を目指す。また今後は、教育だけでなくVR技術や、現実世界と仮想世界を融合したMR技術を活用し、設計や施工管理業務の高度化を進め、さらなる省力化や高品質化を実現していく方針だ。
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