新旧まとめて同時に制御、改修工事中でもエレベーターを利用可能にFM

三菱電機と三菱電機ビルテクノサービスはエレベーター業界初となる、新旧両方の巻上機や操作盤をまとめて制御できる「ハイブリッド制御盤」を開発した。新旧機器が混在するリニューアル工事期間中でも、任意の曜日や時間帯にエレベーターを利用できるようになる。

» 2016年10月27日 06時10分 公開
[長町基BUILT]

 三菱電機と三菱電機ビルテクノサービスは、新旧の巻上機や操作盤が混在するリニューアル工事期間中でもエレベーターが利用できる「ハイブリッド制御盤」を開発した。これにより、顧客が要望する時間帯に工事を行い、工事のない時間帯は利用可能とすることで、利用者の不便を軽減できる(図1)。

図1 ハイブリッド制御盤の適用イメージ 出典:三菱電機

 現在、国内には約72万台のエレベーターが設置されている。そのうち、設置から25年が経過し、リニューアルの時期を迎えた三菱電機製エレベーターは約5万台ある。さらに2020年度には約9万台となる見込みだという。これまで、リニューアル工事の際は、制御盤を含めた全てのリニューアル機器の工事が完了するまでエレベーターが利用できないため、高齢者の多いマンションや病院などでは、工事による長期間の停止が問題となる場合があった。

 今回、この問題を解決するため、同社はリニューアルの時期を迎える1990〜1997年頃に製造した三菱エレベーター「GRANDEE(グランディ)」を対象に(仕様により、対応できない場合がある)、既設機器とリニューアル後の機器の双方を制御できる専用の制御盤、ハイブリッド制御盤を開発した。

 これにより、リニューアル工事期間中でも作業をしていない時間帯はエレベーターを利用することができる。例えば、マンションでは通勤や通学などの利用者が多い朝晩の時間帯、飲食テナントビルでは夕方・夜の営業時間帯にエレベーターの利用を可能にする。また、病院などエレベーターの連続休止期間を設けるのが難しい施設や、事務所ビルなどでは、工事を利用者の少ない曜日に分散することで、利用者の不便を軽減する。三菱電機では新しい制御盤を採用したリニューアル製品を、2016年末までに発売する予定だ。

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