西松建設は、山岳トンネル工事で使用するホイールローダーの遠隔操作システムを開発した。新システムは、オペレーターが車体に設置した複数のカメラ映像を見ながら、坑内のずり運搬作業を遠隔で操作する。今回の開発を足掛かりに今後は、トンネル工事全体の無人化施工を目指し、遠隔操作の技術を掘削に使う他の重機にも応用していくという。
西松建設は、カナモトとジオマシンエンジニアリングと共同で、山岳トンネル掘削時に切羽近傍のずり運搬に使用されるホイールローダーの遠隔操作システム「Tunnel RemOS-WL(トンネルリモス-WL)」を開発した。既に実際のずり運搬を模擬した遠隔操作実験で、無人運転時の動作や操作性、安全性で問題が無いと確認されている。
西松建設では、トンネル掘削全般にわたる自動化・無人化施工技術「Tunnel RemOS(トンネルリモス)」の構築を急ピッチで進めており、今回のホイールローダー遠隔操作システムもその一つと位置付けられている。
ホイールローダーは、岩石・土砂をダンプカーやベルトコンベヤーなどの運搬機械(設備)に積み込む車両系建設機械。トンネル掘削では、発破によって切羽で発生した掘削ずりを、坑外搬出機械まで、最大100メートル程度の運搬するのに使われている。。
ホイールローダー遠隔操作システムは、「遠隔操作システム」「映像・操作信号通信システム」「安全走行システム」で構成。ホイールローダー側には、ハンドルやペダル操作などを無線受信で、機械的に作動させる遠隔操作装置が外付けられている。遠隔操作室には、実機と同じ仕様の操作コックピット及びモニター(9画面)が配置されており、画面を見ながら遠隔操作を行う。コックピットには、実機の振動や作動音が伝わるようになっており、実機運転とほぼ同じ環境下で運転することができる。
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