リアルタイム位置情報システム“K-Field”は、マルティスープが提供する地図・地理空間情報プラットフォームを利用して開発した位置情報システム。建築現場はその進捗に従って、屋内がメインとなるため、モノの位置情報を取得するために、一般的に用いられるGNSS(グローバル衛星測位システム)の活用は困難とされる。
K-Fieldでは、管理したい資機材それぞれに小型で安価な「ビーコン」と呼ばれる発信機を取り付け、現場内の各層に必要数を設置したゲートウェイ(受信機)と、信号のやりとりで、それぞれの位置を正確に把握する。位置データは現場内に構築されたWi-Fiネットワークを通じて、クラウド上にアップロードされ、現場全域にわたる資機材の位置が、現場事務所などのPC画面のマップ上で“可視化”される仕組み。
また、現場外のモノに対して、GNSS発信器を取り付ければ、現場敷地外の位置把握も実現する。工事関係車両の運行状況などをリアルタイムにマップ上で確認できるようになる。
既に「(仮称)鹿島伏見ビル工事現場」をはじめとして、複数の現場でKENLOGIとK-Fieldの運用は始まっており、鹿島伏見ビル工事では、高所作業車と立馬、台車など、合計150台を対象にビーコンを取り付け、その全てがいま、どこにあるのか、PC画面やモニターでリアルタイム管理されているという。
さらに、全ての高所作業車にマグネットとマグネットセンサーを取り付け、センサーがマグネットにつく・離れる状態のデータを受信することで、稼働状況を見える化する仕組みも導入している。
両システムの導入により、使われずに放置されているような高所作業車が無くなり、従来に比べて資源の有効活用が見込まれる。今後は、作業員などの「ヒト」にもビーコンを持たせ、その動きや滞留場所をチェックし、トイレや昇降設備、安全通路などの仮設計画に転用することも検討されている。
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