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» 2018年09月19日 06時00分 公開

BIMモデルの建築確認申請からFM管理まで、スターツが構想するBIMプラットフォーム

スターツコーポレーションと、スターツCAMは、設計・施工で作成したBIM(Building Information Modeling)データを活用して、建物の事業計画から維持管理までをトータルで管理するサービス「BIM-FMPLATFORM」の開発を進めている。

[石原忍,BUILT]

 スターツコーポレーションと、同グループで建設・土地活用コンサルティングを手掛けるスターツCAMは、BIM(Building Information Modeling)のビッグデータを活用し、建物の事業計画から、維持管理までを一貫してマネジメントできるサービス「BIM-FMPLATFORM」の各種ソリューション開発を加速させている。

建築見積の自動化技術「INTEGRAL-BIM」、作業時間を約1/40に短縮

 スターツグループはこれまで、BIMモデルを用いて、「建物の情報コンビナートをつくりあげる」という発想のもと、建物の構成要素をデータ化、加工、高度に活用する「BIM-FM PLATFORM」を構築してきた。実現のため、トータルBIMサービスの構築、データ連携技術の開発、ソフトウェア開発の3つに取り組んでいる。

「BIM-FM PLATFORM」による活用事例 出典:スターツコーポレーション、スターツCAM

 BIM-FM PLATFORMのこれまでの成果としては、BIMによる建築確認申請がある。スターツCAMおよび日本ERI、福井コンピュータアーキテクトが連携して、GLOOBEのユーザー会「J-BIM研究会」の確認申請分科会の活動の一環で、BIMによる建築確認申請を実施。特殊建築物・共同住宅の「1号建築物」で建築確認済証を取得したという。

 BIMの確認申請であれば、確認審査作業の効率化や見える化はもちろん、GLOOBEネイティブデータを利用することで審査の一部が自動計算できることに加え、設計図面と確認申請用図面をそれぞれ作成する必要がなくなるなどのメリットが見込める。

BIMによる建築確認申請 出典:スターツコーポレーション、スターツCAM

 また、BIMを活用した建築見積の自動化技術「INTEGRAL-BIM」も開発中で、躯体、鉄筋、設備等の積算ツールと連動して建築物全体の自動積算ができるようになる。   

 INTEGRAL-BIMで建材の数量拾い作業の削減や見積書作成を自動化し、作業時間の大幅な短縮で通常1週間ほどかかっていた「積算」が、約3時間に短縮され、20人工から0.5人工までの省人化につながる。

「INTEGRAL-BIM」を使ったBIMによる自動積算の概要 出典:スターツコーポレーション、スターツCAM

 この他、初期段階の事業計画・投資判断フェーズでは、AIを用いてマーケットデータと連動させ、「建築・事業計画」を約15分で策定できる「AI建築事業計画サービス」を展開している。建物のデータは地図情報やマーケット分析のAIと連携し、最適な投資判断や事業計画が瞬時に行えるため、以前は7日以上かかっていた提案までの作業が約15分で可能になる。

 企画設計・シミュレーション・詳細設計フェーズでは、VR技術を採り入れた「ハイクオリティーVR(バーチャルリアリティー)」がある。BIMをベースにゲームエンジンを活用したVRコンテンツを開発し、現実に近いビジュアルでの空間体験を創出。基本・実施設計での検討・合意形成用にVRデータへ変換することで、立体的かつ身体的感覚に即した空間提案や体験が実現する。

 施工では、「鉄筋BIMモデル」や3次元データに時間軸を入れた「4D施工計画」を活用。4D施工シミュレーションでは、資材・重機・人員配置の合理化で工期の短縮をもたらす。現場のモバイル端末で詳細モデルを確認することで、納まりの理解や図面化工数の合理化が図れる。

 既存建物のBIM化による「FM(維持管理)活用コンサルティング」も運用。独自のBIM‐FMシステムで、既存の自社保有のビルをBIMモデル化し、ファシリティマネジメントの省エネや修繕の最適化・管理情報のデジタル化を行う。ビルオーナーへのコンサルティング、提案に役立てることができるという。

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