新幹線を安全にする3万回の手作業、3次元測量で20倍に効率化:情報化施工(2/2 ページ)
そこでJR東海が開発したのが3次元計測機を活用した測量システムだ。レーザースキャナー、GPS、走行距離計などで構成したシステムで、線路を走行できる電動車両などに取り付けて利用する。作業員が操縦しながらレール上を時速2km程度で自走し、レーザースキャナーで枕木を上部から測量していく仕組みだ(図4)。
図4 開発した3次元測量システムとレーザースキャナーで測量した枕木のデータ(クリックで拡大)概要 出典:JR東海
レーザースキャナーの位置や角度を変えて複数回測量することで、施設された橋梁枕木のサイズを最大誤差を±1mm(ミリメートル)の精度で取得できるという(図5)。従来の人手による作業の場合、枕木の測量は1日当たり30m(メートル)が限度だった。しかし、今回開発したシステムの導入により、1日当たりの測量可能距離は20倍の600mまで伸びるとしている。また、橋梁上における不安定な姿勢での測量作業が不要になるため、作業者の安全性向上にも寄与するメリットもある。
図5 レーザースキャナーによる枕木の測量イメージ 出典:JR東海
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