オートデスクは建設プロジェクトで使われる2D/3Dデータや設計図書の管理・保存、共有や編集などの作業の効率化に貢献するクラウドサービス「Autodesk BIM 360 Docs」の販売を開始した。
オートデスクは2016年9月7日、「Autodesk BIM 360 」(以下、BIM 360)の新サービス「Autodesk BIM 360 Docs」(以下、Docs)の販売を開始した。建設プロジェクトで使われる2D/3Dデータや設計図書の管理・保存、共有や編集などの作業の効率化に貢献する。
オートデスクのBIM 360は、BIM(Building Information Modeling)に特化したクラウドサービス。BIMモデルを使い仮想的に設計・施工が行える「Glue」、生産計画を管理できる「Plan」、施工管理が行える「Field」など、複数のサービスで構成されている(現時点で海外のみで展開中のものもある)。今回発表したDocsも、このBIM 360を構成するサービスの1つになる(図1)。
建設プロジェクトには数年間にわたって多くの企業と実務者が関与し、その中で膨大な数の図面や文書、モデリングデータを作成していく。一方、こうした情報は関係者はチームごとに異なるスケジュールで作成が進められ、さらにその作成ルールも企業ごとに異なる場合が多い。Docsはこうした複雑かつ手間の掛かる2D/3Dのデータ管理やその共有の効率化を目的に開発されたドキュメント管理サービスだ。オートデスク テクニカル アカウント マネージャーの山根知治氏は「DocsはBIMを実現するためのプラットフォームになると考えているサービス」と位置付ける。
特徴は主に3つ。1つ目がBIMモデルに含まれる2D/3Dのデータを統合管理し、編集できる機能だ。3Dのモデリングデータだけでなく、紙ベースでやりとりされているような2次元のデータもまとめて管理できるようになっている。
モデリングデータを閲覧する場合、専用のビューワーもしくはCADソフトが必要になる場合も多い。例えば設計者が作成したデータを、施工担当者が閲覧したいという場合、こうしたツールの問題は障壁となる。そこでDocsでは一度アップロードしたデータであれば、Webブラウザやタブレット端末用のアプリケーション上で閲覧できるようになっている。さらにそこからモデリングデータや2Dの図面に対して直接朱書きやコメントを入れたり、それを指定したユーザーに共有したりもできる(図2)。
この他、Docs上で複数の図面の比較や、重ね合わせも可能だ。図面に変更を加えた場合、変更部分の色分けや、前のバージョンとの比較も行える。モデリングデータをクリックすると、該当する2Dの図面を表示するリンク機能も備える。
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