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» 2014年09月04日 11時00分 公開

光熱費には「窓」が効く、3層ガラスとクリプトン省エネ機器(2/2 ページ)

[畑陽一郎,スマートジャパン]
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熱以外の性能も高い

 窓の役割は熱の保持だけではない。エルスターXではフレームをスリムな形状としたことで同社の従来の樹脂窓(マイスターII)と比較して、窓全体に占めるガラスの面積が10%増えた。窓業界で最もスリムだという。

 建物と窓の関係は維持した。熱性能が高い窓であっても分厚く、従来の建材とは適合しにくいとなれば採用しにくい。エルスターXは壁に掛かる部分の幅を従来の窓「サーモスII」と同じ36mmに抑えた。窓の重量が窓の下側の横架材に均等に加わることで、躯体(くたい)に掛かる負担も少ないという。

 窓の重量も抑えた。Low-Eガラスの厚みを3mm、中間のガラスの厚みを1.3mmとしたことで、従来のLow-E複層ガラスとほぼ同じ重さを維持できたという*4)。毎日の窓の開け閉めに必要な力がほぼ同じということになる。

 エルスターXは、旭硝子が2014年8月に発表した3層Low-Eガラス向けの厚さ1.3mmの建築用特殊薄板ガラス「AFLIC(エーフリック)」を採用した。化学処理によって従来のガラスと同等の強度を維持しながら厚みを半分以下に抑えたという。旭硝子によれば、室外側と室内側にLow-Eガラスを用いた3層構成(3mm+1.3mm+1.3mm、アルゴン封入)の熱貫入量は0.6W/(m2・K)、室外側だけにLow-Eガラスを用いた複層ガラス(3mm+3mm、アルゴン封入)は約2倍の1.1W/(m2・K)だという。1m2当たりの重量はそれぞれ、14.0kg、15.0kgだとした。

*4) 従来の3層ガラスよりも約19%軽い。さらに3mm+1.3mm+1.3mm構成を採るより軽いオプションもある。標準品よりも38%軽いとした(本文の旭硝子の発表内容を参照)。

アルミ樹脂窓にも利点あり

 LIXILはエルスターXの発売後、2015年3月にはフレームにアルミと樹脂を用いた「サーモスX」も発売する。熱貫入率は1.05W/(m2・K)。エルスターXよりは熱を通しやすい。

 サーモスXとエルスターXの違いは、性能と価格、窓としての品種の数だ。最上位製品が3層Low-Eガラスであり、クリプトンガスを用いること、合計3種類のガラスがあることは変わらない。

 エルスターXの価格は幅640mm、高さ1170mmの窓の場合13万9300円(税別)。これはクリプトンを用いた3層ガラスを縦すべり出し窓とした場合の価格だ。サーモスXの価格は、ガラスやガスなどが同じ仕様の場合10万6600円(税別)と安価である。

 「サーモスXの断熱性能は、従来のアルミ樹脂複合フレーム窓よりも高い。加えてアルスターXよりも、窓として用意できるモデルの数が多い。フレームが細いため、小窓やシャッター一体型窓、防火地域向けの防火窓に使うことができる*5)」(LIXIL)。躯体に載せる柱掛かり寸法自体はエルスターXと同じ36mmだが、サーモスXでは取り付けた窓のうち外から見える部分の寸法(見付け)や、フレームの内側の枠(見込み)*6)を少なくできるためだという。

 LIXILは2014年4月に「窓事業戦略」を発表しており、2014年度中に全グレードの窓で最高性能を実現するとしていた。これが今回のエルスターXとサーモスXだ(図5)。「発売後3年以内にエルスターXとサーモスXを合わせた単年の売上高150億円を目指している」(LIXIL)。両製品とも全国で販売する。

*5) エルスターXでは国内で最も多い引き違い窓の他、縦すべり出し窓、勝手口ドアなど家1棟に対応できるモデルを用意する。しかし、特別な窓ではサーモスXの方が有利だ。
*6) エルスターXでは見込み寸法を81mmと大きく採っている。これは従来製品の約1.8倍だ。これにより断熱性と強度を両立したという。

図5 LIXILの窓のラインアップと断熱性能 出典:LIXIL

【訂正】 記事の掲載当初、本文の注3以降の注の番号が誤っておりました。お詫びして訂正いたします。上記記事はすでに訂正済みです。(2014年10月24日)

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