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» 2019年02月05日 10時00分 公開

既存資産を活用したビルのスマート化、鍵はシステムの“オープン化”にあり

デルタ電子がビルオートメーション(BA)事業の拡大に積極的に取り組んでいる。国内では現在大型・複合化したビルの新築が都市圏を中心に活発化している。一方で全体の99%を占めるといわれる中小規模ビルにおける管理システムの改築、機能強化に向けたレトロフィットに関わる需要も旺盛だ。ただ、ビルシステムのリニューアルには、管理コストやエネルギーの削減を図るため空調、照明、情報機器など、別々に制御されている各システムの一元管理が求められている。同社のビルオートメーションシステムは、この課題を解決するオープン化、統合化が大きな特徴となっており、このメリットを生かした販売戦略により、需要獲得を目指す。

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 台湾・台北市に本社を構えるデルタ電子は、グループ全体で全世界43カ国に163カ所の営業拠点、39カ所の製造工場、R&Dセンター64カ所を配置し、9000人を超すエンジニアを擁するグローバル企業だ。スイッチング電源、ブラシレスDCファン、テレコム向け電源などの製品は世界でトップクラスのシェアを誇り、2017年度のグループ連結売上高は84.71億米ドル(9500億円)に達している。

 このように、順調に業績を拡大してきた同社が、これら主力製品とともに日本市場でビルオートメーション(BA)事業の取り組みを強化している。2018年12月に開催された「スマートビルディングEXPO」(「住宅・ビル・施設Week」内、2018年12月12〜14日、東京ビッグサイト)の同社ブースでは、“オープン化”を強みとする同社のビルオートメーション関連のソリューションが披露され、多くの来場者から注目を集めた。

デルタ電子 BAシステム・ソリューションチーム ビルディングオートメーション営業部マネージャーの鎌田博之氏(左)、同社エナジーインフラ営業本部 兼 ビルディングオートメーション営業部本部長の稲田周次氏(右)

グリーンビルのパイオニアであるデルタ電子

デルタグループはグリーンビルのパイオニアとして2006年から、台湾をはじめ、中国、インド、米国などでビルの省エネ・スマート化に取り組んできた。本社ビル(台北市)はLEED(Leadership in Energy&Environmental Design)のプラチナ認証を取得するなど、これまでにグローバルで27棟の認証付きビルのスマート化にも携わっている。

デルタ電子が手掛けたグリーンビルの一覧。世界各国でLEED認証を取得している

 日本市場では2年前からBA事業をスタートしており、2018年春から本格的なシステム提案を開始した。「この2年間は種まきの期間であったといえるが、この間に営業担当スタッフに加えて、システム全体を把握した技術スタッフも配置するなど体制を強化した。その成果が出ており、引き合いが大きく増加している。その背景にはビルシステムのオープン化があり、そのニーズに当社システムの強みがはまり始めたといえる。2019年以降さらに需要の拡大が期待される」(デルタ電子 稲田周次氏)とこれまで順調に推移している。

2016年にロイテック社を買収、オープンなBAソリューションの提案を実現

 ビルオートメーションシステムは現状、空調、照明制御、アクセス・コントロール、エネルギー監視、CCTV、AVメディアなどの機能を持つシステムがそれぞれ縦割りで導入されているケースが多い。ビルオーナーにとってはコストの削減にもつながるため「これらを一元化管理し効率化を図りたい」というニーズがある。一方で、一元化を図るには、こうした多様なシステムのデータの処理方法や通信プロトコルの違いを技術的に解決することが大きな課題となってくる。

 デルタ電子では、こうしたビルオーナーの要望に対してよりオープン化された全体的なソリューションを提案するため、ビルオートメーションの標準化の雄といわれるオーストリアのLoytec(ロイテック)社を2016年4月に買収した。同社は1999年にウィーン工科大学からスピンアウトした教授陣や研究員により創立され、ビルオートメーションに関するプロトコルの1つであるLONの規定に大きく関わったことでも知られ、その技術力は業界内から高く評価を受けている。日本でも大崎のソニービルや九州の大型リゾート施設など、100を超える導入実績がある。

 デルタ電子は、ロイテック社の製品を扱うことで、より幅広く、多様なビル向けのトータルソリューションが提供できるようになった。同社の製品は国際的なBACnet/IPおよびBACnet MS/TP、LON/IP、LON FT-10、KNX、DALI、M-bus、Modbus TCP、Modbus RTU、OPC、Wi-Fi、EnOcean、VNCなど多様な通信プロトコルデバイスに対応が可能だ。さらに、プラグインのL-IOB I/O拡張モジュールを通じて、高効率および省エネルギー化を図ったビルディング制御システムを実現する。

 そのため既存ビルのシステムとの親和性が高く、空調、照明、エネルギー、給配水、エレベーター、電力、セキュリティなどのサブシステムをBACnet、LonWorksあるいはKNXベースのネットワークで、コントローラーレベルでシームレスに統合することにより、単一プラットフォームに統合することが可能だ。

 ロイテック社は、これまで、各種ルーターおよびゲートウェイのネットワーク・ソリューション機器、統合型組み込み式オートメーション・サーバー、I/Oコントローラーによるビル自動化ソリューション、ルーム・オートメーションシステム、DALI照明コントロール、PCあるいは携帯機器に搭載するグラフィカルユーザーインタフェースなど、幅広いソリューションを開発・生産および販売してきた実績がある。

 また、統合ビル管理システムである「LWEB-900」は、運用管理に必要なユーザーインタフェースを提供する。システム拡張に柔軟に対応し、デバイスの統合(IPベースのL-INX・IP・L-IOB・L-ROC・L-GATE・L-VIS他)機器管理、日々の運用管理オペレーションに至るまで全てのフェーズで活用することが可能だ。これにより、プロジェクトの全フェーズにおいて、多様なインタフェースをサポートし、同一のプラットフォームで作業を行うことができる。また、L-ROCルームコントローラーはIPベースの全く新しいルームオートメーションの仕組みを提供し、変更要求に対して少ない工数で柔軟に対応する。

デルタ電子が提案するIPベースのビルIoT管理システム

 BAにおいてマルチプロトコルに対応できるということは、システム構成の自由度が大きく高まることにつながり、システムに利用できる機材の選択肢も広がる。また、最近ではIoTにおいて大きな要素となるクラウド対応で必要となる、高いセキュリティ性をもったネットワーク構成も実現した。同社のシステムはファームウェアからSSL/HTTPS、OPC-UAやVPN(2019年サポート予定)まで、サポートするなどセキュリティ性の高い通信機能を持ち、さらに、デバイスレベルでも同じく高いセキュリティの高性能化を図った。ロイテックでは2018年9月にこれらの性能を持つIoT対応デバイスを発売しており、この分野での取り組みをいち早く開始している。

 「一台のコントローラーで、世界的に普及している通信プロトコル(通信規約・通信手順)をほぼすべて対応している。普通、他社のシステムでは通信プロトコルが違う場合、コントローラーにコンバータ(変換器)をつける必要があるが、ロイテックの場合それを必要としない。システムを構築する場合に、通信プロトコルの違いを意識せずに設計できることは、大きなメリットとなる」(デルタ電子 鎌田博之氏)と自信をみせる。

 この他、JavaScriptのサポートにより、多様なアプリケーションを取り込むことができ、さらにこのアプリケーションのデータをそのまま制御に用いることができるなど、ICT分野の強化も行っている。その一例として、2018年にLEEDのゴールド認証を取得した同社赤穂エナジーパーク管理棟では、Yahooが提供する気象データ(フリーデータ)をJavaScriptで取り込み、そのデータをそのまま制御に活用している。

LEEDゴールド認証を取得した赤穂エナジーパークに導入したシステムの構成

 さらに、デルタグループが2017年にM&Aにより獲得した、IP監視ソリューション事業を展開するセキュリティシステムメーカー、VIVOTEK(ビボテック)社のビデオシステムの情報を直接ビルディングオートメーションのシステムに取り込めるようになった。これにより、大規模商業施設などで、警備スタッフの省人化を図ることができる。

 この他、ロイテックのWebサイトおよび中央監視ソフトLWEB-900の日本語化を行うなど日本市場向けの最適化、周辺技術を強化している。こうした取り組みで、ロイテック製品の優れたアーキテクチャのオープン性を強みに、既存の資産を最大限生かしながら、新しい省エネビルを実現するソリューションをオフィスビル、商業施設などに向けて提案する。

既存資産を生かしたビルのスマート化を実現

 日本国内の市場は、都市部を中心に大型・複合化したビルの新築需要が増加している。一方で、2010年を境に設備の改築・機能追加などの更新需要が拡大しており、その中で、既存のシステムを生かしながら、機能向上を図りたいという要望(レトロフィット)が同社にも寄せられているという。

 特に、中小規模ビルのシステム構築需要は旺盛であり、デルタ電子では同社の特徴であるオープンシステムを生かし、レトロフィット市場の獲得に取り組んでいる。ビルの99%を占める1万平米未満中小規模のビルへの採用に際して技術的、コスト面でアドバンテージがあり、ビルへのレトロフィットに最適であり、しかも中小規模のビルへの導入がしやすいというメリットを生かす考えだ。

 さらに、自立分散のシステム管理をベースとした柔軟なスケーラビリティにより、デルタ電子では中小規模から大規模施設まで、また、オフィスビルをはじめ、商業施設、ホテル・病院、工場・倉庫など業種・用途に関わらず販売先は大きく広がってきている。

日本国内でのパートナーも着実に拡大

 こうした拡大する市場に対して販売戦略としては、SIerや設備事業者・代理店など中心にパートナー企業を募り、全国展開を図っている。パートナー企業は現在8社となり、さらに6社と交渉が進んでいる。2019年には20社以上となる見込みで、その中には電気・設備工事などを行う大手サブコンなども含まれるという。なお、パートナー企業は登録後に、ロイテック社のWebサイトに掲載されることになる。

内田洋行もデルタ電子のパートナー企業の1社。既に多くの国内導入実績も

 今後の販売見通しとしては「大規模ユーザーとの共同での設備更新事業を進めている。2019年度には50棟でのシステム構築を予定しているが、同様のユーザー複数と商談中であり、2020年度には100棟を超える手ごたえを感じている」(デルタ電子 稲田周次氏)としており、受注拡大に併せて技術スタッフの育成とパートナーの募集も継続して行う。

 この他、デルタ電子の日本現地法人(東京都港区)の自社ビルには同社製の蓄電システムを地下に設置し、電力使用の平準化にも取り組んでいる。2018年の赤穂エナジーパーク管理棟のLEEDゴールド認証取得に続いて、同ビルも2019年にはLEED認証を取得する予定だ。デルタ電子はこうしたビルの環境関連取得のノウハウを生かしてLEED認証取得を支援する業務も開始しており、こちらも順調に推移している。

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提供:デルタ電子株式会社
アイティメディア営業企画/制作:BUILT 編集部/掲載内容有効期限:2019年3月7日