万博で「未来の水中工事」による社会課題解決を提案、青木あすなろ建設とコマツが共同出展:大阪・関西万博
青木あすなろ建設とコマツは、大阪・関西万博の未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」パビリオンに共同出展する。「未来の水中工事」をテーマに、電動式水中施工ロボットを活用して人手不足などの社会課題に対応する新たな工事現場の姿を示す。
青木あすなろ建設とコマツは3月10日、大阪・関西万博の未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」パビリオンに共同出展する「未来の水中工事」をテーマにした展示プレイスを公開した。
コマツは1970年に開催された大阪万博の翌年、ラジコン操縦の水陸両用ブルドーザーの量産を開始。青木あすなろ建設は現在5台を所有し、これまで1200件の水中工事で知見や施工技術を蓄積してきた。両社はこの水陸両用ブルドーザーを進化させた「水中施工ロボット」が活躍する未来の水中工事の実現に向け、コンセプトマシンによる実証などに取り組んでいる。
未来の水中工事では、最新のICT機能/自動制御を備えた電動式の水中施工ロボットを活用して安全/快適なオフィスからの遠隔操縦を実現し、熟練技術者でなくても活躍できる新たな工事現場の実現を目指している。防災/災害復旧工事の効率化と迅速化に加え、洋上風力発電設置などによる再生可能エネルギーの導入加速、藻場/干潟造成によるブルーカーボン創出など、地球温暖化防止への貢献も視野に入れる。
展示プレイスには水中施工ロボットのコンセプトマシンを再現した大型模型を展示。浚渫する砂をモチーフにしたサンドアートやCG映像、実写を織り交ぜて水中施工ロボットの活躍を描いた3編のショートムービーを上映する。ロボットが活躍する工事シーンの模型も展開する。
また、入口の床面映像では来場者の足跡を水中施工ロボットが追いかけるインタラクティブな演出を用意。さらに頭上の3Dディスプレイで泳ぐ水中生物がメインスクリーンに飛込む水中体験など、没入感のある映像を展開する。
フューチャーライフ万博・未来の都市について
「フューチャーライフ万博・未来の都市」は、博覧会協会と12の企業/団体が参加する共同出展事業。経済発展と社会課題の解決を両立する「幸せの都市へ」をテーマに掲げ、仮想空間と現実空間が連携/融合した展示を通じて、未来の都市像を来場者と共に考え、描いていくことを目指している。
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