大阪・関西万博の大屋根リングがギネス世界記録に認定 「世界最大の木造建築物」：大阪・関西万博

大阪・関西万博の会場のシンボル「大屋根リング」が、世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定された。建築面積は6万1035.55平方メートル。

[BUILT]

　2025年日本国際博覧会協会は2025年3月4日、大阪・関西万博の会場のシンボル「大屋根リング」が世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定されたと発表した。

大屋根リング（2025年2月撮影）　提供：2025年日本国際博覧会協会　撮影：伸和　出典：大林組プレスリリース

　大屋根リングは2023年6月に木組み部分の組み立てを開始、2024年8月に全周がつながった。内径約615メートル、外径約675メートルで、全周は約2025メートル。建築面積は6万1035.55平方メートル（幅30メートルの中心15メートル地点で一周を計測した場合）となり、今回、世界最大との認定を受けた。

　高さは外側約20メートルで、来場者が歩くことができるスカイウォークは約12メートル。木材は国産のスギ／ヒノキを7割、外国産のオウシュウアカマツを3割使用している。

　今後はギネス世界記録の称号を活用し、大阪・関西万博の機運醸成につなげる。会期中には会場内にギネス世界記録を記念したプレートを設置する予定だ。

大屋根リングは「会場デザインの理念を表したシンボル」

　大屋根リングの基本設計／実施設計／工事監理は、2025年日本国際博覧会会場デザインプロデューサーの藤本壮介氏が担当。基本設計は東畑・梓設計JVが手掛けた。

　実施設計／施工／監理は以下の通り。

• 北東工区：大林組・大鉄工業・TSUCHIYAJV・安井建築設計事務所
• 南東工区：清水・東急・村本・青木あすなろJV
• 西工区：竹中工務店・南海辰村建設・竹中土木JV・昭和設計

　大屋根リングは、神社仏閣の建築に使用される伝統的な貫（ぬき）接合に現代の工法を加えて建築している。万博会場主動線の交通空間であると同時に、雨風や日差しなどを遮る滞留空間としての利用を想定している。

　屋上からは会場全体を見渡すことができる他、リングの外側には瀬戸内海の自然や夕陽を浴びた景色、大阪の街並みなどが見え、海と空に囲まれた万博会場の魅力を感じられるという。大屋根リングは「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインの理念を表した会場のシンボルとして、会期中は国内外からの多くの来場者を迎える。

認定証を手にする関係者一同　提供：2025年日本国際博覧会協会　出典：大林組プレスリリース