キャンピングカーを大成建設が災害復旧拠点に活用 ドローンや衛星通信を搭載:災害対応
大成建設は、災害時の復旧活動拠点として専用改造したキャンピングカーを導入する。トイレや宿泊設備、ワークスペースを備え、独自の施工管理システムで情報を集約するための衛星通信設備と、災害現場で3次元データを取得するドローンも搭載している。
大成建設は2025年1月30日、災害時の復旧活動用にキャンピングカー形式の「移動式復旧拠点」を導入すると発表した。
衛星通信で施工管理データを一元管理
車内には、トイレ、宿泊設備、デスクワークスペースを確保。衛星通信設備も搭載し、独自の施工管理システム「T-iDigital Field」などを用いることで、災害復旧時に作業従事者の安全確保や建機の稼働状況、復旧進捗などのデータ収集や分析など、情報の一元管理が可能になる。T-iDigital Fieldは、2021年に静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流災害復旧工事でも活用し、「輝く!!第1回中部DX大賞」を受賞している。
また、ドローンも常設し、空中からデータを取得して、自社開発の3D化サービス「シン・デジタルツイン」で災害発生状況をデジタル空間上に立体で再現。復旧箇所の特定や仮設道路の配置計画に役立てる。シン・デジタルツインは、都市空間を仮想空間に再現し、さまざまなシミュレーションやプランニングの機能を組み合わせた都市の課題発見と解決に貢献するサービス。
大成建設は、これまでにも被災地で復旧活動を実施していたが、作業従事者の滞在先や移動手段、通信手段、衛生設備の確保などが課題となっていた。近年、巨大地震だけでなく気候変動に伴う局地的豪雨や浸水/土砂災害など、自然災害が激甚化かつ頻発化しているため、今回キャンピングカー形式の移動式復旧拠点の採用を決めた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
スマートメンテナンス:AI活用、道路のリアルタイム異常検知システム開発 インフロニアと燈
インフロニア・ホールディングスと燈は、AIを活用した道路空間の異常検知システムを開発した。撮影した道路空間の動画を基に、ほぼリアルタイムで道路施設の変形や損傷を自動検知する。カーボンニュートラル:省CO2/省力化コンクリによる「根固めブロック」の現場実証を開始
東急建設と東京理科大学は、共同開発した省CO2/省力化コンクリートによる「根固めブロック」の現場実証を開始した。外気温や雨、湿度の影響を受ける実際の河川備蓄環境下で、長期的なCO2固定能力を把握する。ロジスティクス:伊藤忠が物流施設の開発で北海道初進出 ラピダス半導体需要見込み千歳市で2026年春着工
伊藤忠都市開発と伊藤忠商事は、伊藤忠グループ初となる北海道での物流施設の開発に乗り出す。計画では2階建て、延べ床面積約1万6120平方メートルの規模となる見通しで、完成は2027年春の予定。スマートメンテナンス:道路の凍結リスクをリアルタイムで算出する「道路凍結指数」を開発、ウェザーニューズ
ウェザーニューズは、気象IoTセンサー「ソラテナPro」で観測する気温や湿度、風速、雨量のデータから道路の凍結リスクをリアルタイムに算出する「道路凍結指数」を開発した。作業現場の凍結リスクを1分ごとに算出し、凍結リスクを分かりやすく「平常」「注意」「警戒」の3段階で表示する。G空間:JAXAがSAR衛星「だいち4号」のデータサービス事業者にパスコ選定 インフラ老朽化対策に活用
JAXAは、2024年7月に打ち上げられた先進レーダー衛星「だいち4号」のデータサービス事業者にパスコを選定した。専用サイトで衛星画像データの提供に加え、インフラ老朽化対策などデータ活用のためのサービス流通を担う。製品動向:海面40mの高所でも導入 上下水道に接続不要な水洗トイレ発売、三井住友建設
三井住友建設は、水循環式バイオトイレ「SMilet」を発売した。上下水道に接続せずに水洗トイレを利用可能で、災害時をはじめ、上下水未整備の自然公園、高所や山間部の建設現場でも容易に設置ができる。