海面40mの高所でも導入 上下水道に接続不要な水洗トイレ発売、三井住友建設:製品動向
三井住友建設は、水循環式バイオトイレ「SMilet」を発売した。上下水道に接続せずに水洗トイレを利用可能で、災害時をはじめ、上下水未整備の自然公園、高所や山間部の建設現場でも容易に設置ができる。
三井住友建設は2025年1月9日、水循環式バイオトイレ「SMilet(スマイレット)」の販売を2024年12月から開始したと発表した。
水洗トイレなのに上下水道に接続不要
SMiletは、上下水インフラに接続せずに水洗トイレを利用できる水循環式バイオトイレ。災害時をはじめ、上下水道が整備されていない建設現場や自然公園などでトイレ利用が可能になる。導入事例としては、海面40メートルに達する橋梁(きょうりょう)工事の現場でも導入されているという。
設備構成は、水洗トイレや貯水槽、汚水処理槽、蒸発処理槽などから成り、まず汚水処理槽で微生物の力により、処理水と余剰汚泥に分離する。分離した処理水は、貯水槽内で電気分解処理による殺菌や脱色を施して再利用。余剰汚泥は杉チップを充てんした蒸発処理槽に移送/撹拌し、蒸発処理で減容化する。
サイズは6(幅)×2.5(高さ)×2.5(奥行き)メートルで、10トンユニック車で積み込みや輸送が可能で、放流や汲み取りも必要ない。オプションの太陽光発電設備を設置すればエネルギー減も見込め、停電時には小型発電機などの給電にも対応している。
国土交通省が定める建設現場で男女ともに快適に使用できる仮設トイレ「快適トイレ」の標準仕様を満たし、日本トイレ研究所の認定を取得している。
三井住友建設は発売に併せ、社内にバイオトイレ事業グループを新設。販売店として住電商事と販売基本契約を締結し、国内全域での販売体制を構築した。販売後のアフターサービス、定期点検なども住電商事が担う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 【動画】静岡県全域を仮想空間に再現!「VIRTUAL SHIZUOKA構想」【限定公開】
過去のBUILT主催イベントでの基調講演をアーカイブ動画として限定公開します。無料のBUILT読者会員に登録することで、課金一切なしで視聴できます。今回のアーカイブ動画では、静岡県が目指すヴァーチャル空間に県土全域を再現する「VIRTUAL SHIZUOKA構想」の全体像を解説しています。 - 脱炭素:出光の次世代バイオ燃料を大林組の建設現場で検証 油圧ショベルの軽油代替で2025年に外販
出光興産、大林組、松林は、建設現場の油圧ショベルに、軽油の代替燃料としてCO2削減効果のあるバイオ燃料「出光リニューアブルディーゼル」を使用し、調達から運用までの検証を進め、2025年中には外販も予定している。 - カーボンニュートラル:バイオマス発電の排ガス活用、PCa床版ブロックにCO2固定化 安藤ハザマ
安藤ハザマは、バイオマス発電所の排ガスに含まれるCO2を吸収/固定化したプレキャストコンクリート床版ブロックの製造試験を開始した。完成した床版ブロックは大阪・関西万博で耐久性能測定を実施する。 - 脱炭素:カーボンネガティブ仕様の埋戻し地盤材料「SUSMICS-S」を実工事に初適用、清水建設
清水建設は、環境配慮型埋め戻し地盤材「SUSMICS-S」を実工事に初適用した。88立方メートル分を使用し、バイオ炭に固定された約8トンのCO2を地盤内に貯留した。 - 脱炭素:20トン級バッテリー式油圧ショベルをトンネル建設現場に導入、大林組
大林組は、首都圏の建設現場で20トン級バッテリー式油圧ショベルを導入した。充電には、100%バイオディーゼル燃料専用のエンジン発電機が使用された。 - 脱炭素:炭をコンクリートに活用、歩道用舗装材のCO2排出量を実質ゼロに フジタとトクヤマが開発
フジタはトクヤマと共同で、環境配慮型の歩道用舗装材「バイオ炭インターロッキングブロック」を開発した。歩道用舗装材に必要な曲げ強度を確保しながら、材料に木質バイオマスガス化発電の副産物である炭を活用して炭素を貯留することで、温室効果ガス排出量を実質ゼロとした。 - FM:AIが熱源システム運転計画を最適化、福岡の大型複合施設で開発開始
福岡県の大型複合施設で、AIを活用した熱供給プラント最適化予測運転システムの開発が始まった。AIによる熱源システムの最適な運転計画を立案を目指す。