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JAXAがSAR衛星「だいち4号」のデータサービス事業者にパスコ選定 インフラ老朽化対策に活用:G空間
JAXAは、2024年7月に打ち上げられた先進レーダー衛星「だいち4号」のデータサービス事業者にパスコを選定した。専用サイトで衛星画像データの提供に加え、インフラ老朽化対策などデータ活用のためのサービス流通を担う。
パスコは2025年1月16日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から先進レーダー衛星「だいち4号(ALOS-4)」のデータサービス事業者に選定されたと発表した。リモート・センシング技術センター(RESTEC)やTellusとともに事業を進める。
ALOS-4は、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)の後継機として2024年7月に打ち上げられた合成開口レーダー(SAR)衛星。空間分解能(3メートル)を保ちながら、観測幅がALOS-2の4倍の200キロに拡大し、高精度な変動監視が実現する。
ALOS-2のミッションだった全天候型の災害観測、森林管理、海洋状況把握の継続に加え、インフラ老朽化対策などを通じて国土強靱化に貢献することを目的としている。
パスコは2005年から地球観測衛星の利活用を促進するビジネスに参画して以降、国内外の人工衛星の運用やデータ流通/加工/解析/ソリューション開発/提供などを行ってきた。今回の事業者選定を受け、専用サイトでの衛星画像データ販売やデータ活用のためのサービス流通を担う。衛星画像データの販売時期などの詳細は、今後に発表する予定としている。
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