道路の凍結リスクをリアルタイムで算出する「道路凍結指数」を開発、ウェザーニューズ:スマートメンテナンス
ウェザーニューズは、気象IoTセンサー「ソラテナPro」で観測する気温や湿度、風速、雨量のデータから道路の凍結リスクをリアルタイムに算出する「道路凍結指数」を開発した。作業現場の凍結リスクを1分ごとに算出し、凍結リスクを分かりやすく「平常」「注意」「警戒」の3段階で表示する。
ウェザーニューズは、気象IoTセンサー「ソラテナPro」で、気温や湿度、風速といった観測データから道路の凍結リスクをリアルタイムに算出する「道路凍結指数」の提供を2024年11月下旬から開始した。
設置後すぐに確認可能で、道路凍結リスクが高まるとプッシュ通知
ソラテナProは、気温や湿度、気圧、雨量など7つの気象要素を1分ごとに観測する気象観測機。小型軽量のため設置が容易で、電源を入れるだけで観測が開始する。災害レベルの大雨(雨量毎時50ミリ)や強風(風速毎秒50メートル)も観測できる高い性能に加え、天気予報アプリ「ウェザーニュース」やPC版の専用Webサイトから観測データだけでなく、天気予報や雨雲レーダーまで確認できるため利便性にも優れる。
今回、道路管理会社や自治体、土木・建設業界で、凍結防止剤散布のニーズが多く寄せられたため、現場の凍結リスクをピンポイントで把握できる道路凍結指数を開発した。ウェザーニューズは、20年以上前から道路管理会社の雪氷対策を支援してきた実績があり、道路の路面凍結に関するノウハウが蓄積している。
道路凍結指数指数は、現場に設置したソラテナProの気温や雨量、風速などの観測データをもとに独自の計算式を用い、凍結のリスクを「平常」「注意」「警戒」の3段階で表示する。ソラテナProは設置した後、すぐに観測を開始し、道路凍結指数を簡単に把握できる。道路凍結指数の算出には設置高さ1.5メートルを推奨し、対象とする路面はアスファルト面。
凍結リスクが高まった状態の「注意」や「警戒」の段階になると、スマートフォンのプッシュ通知で知らせる。そのため、道路管理会社や自治体の道路保全業務、土木会社の凍結防止剤の散布や安全対策が迅速に行えるようになる。
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