ニュース
台湾のシールドマシンを約1800キロ離れた大阪から遠隔操作、奥村組:スマートコンストラクション
奥村組は、台湾新竹市で施工中のシールド工事で、約1800キロ離れた大阪府大阪市の奥村機械製作本社オフィスからシールドマシンの遠隔操作に成功した。
奥村組は2025年2月7日、台湾新竹市で施工中のシールド工事において、約1800キロ離れた大阪府大阪市の奥村機械製作本社オフィスからシールドマシンの遠隔操作に成功したと発表した。新システムの活用により、熟練オペレーターが複数現場を兼務できるようになる。
新システムは、遠隔地のPCからインターネット経由でシールドマシンを制御する。従来、泥水式シールド工法では、工事ヤード内の離れた場所にある中央管理室と専用通信ケーブルで接続して操作することができた。新システムは、インターネットに接続できる環境であれば国外でもシールドマシンを操作可能になった。
台湾科学園区発注の「宝山シールド工事」(泥土圧シールド工法、直径4530ミリ、延長2813メートル、2024年12月10日に掘削完了)では、遠隔操作信号の送信から1秒以内のタイムラグで、掘削機構、推進機構、排土機構などの主要な施工装備を問題なく操作できることを確認した。
奥村組は通信の信頼性を検証するため、意図的にインターネット接続の遮断/復旧試験を実施。通信復旧後にシステムが自動接続し、遅滞なく遠隔操作が再開できることを確認した。
今後は、台湾で4件のシールド工事(シールド機の総台数18台、総延長27キロ)や、国内シールド工事で新システムを適用していく。また、熟練オペレーターが遠隔で技術指導を行える体制を整備し、オペレーターの育成にも取り組むことで技術者不足の解消を図る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
全建協:全建協会長「建設業全体が足並みをそろえ社会課題解決を」 技術研究発表会、最優秀賞に錢高組など
全国建設業協会は、都内で2024年度の技術研究発表会を開催した。高度技術部門の最優秀賞に錢高組 技術本部 技術研究所 主席研究員 角田晋相氏が発表した「換気設備の自動制御による電力削減事例」が、創意工夫部門の最優秀賞に山辰組 専務 馬渕剛氏が発表した「草の酸素供給型高速焼却装置『モヤッシー』」が選出された。山岳トンネル工事:山岳トンネルで覆工コンクリを自動打設、奥村組が新システム開発
奥村組は北陸鋼産と共同で、山岳トンネル工事における覆工コンクリートの自動打設システムを開発した。デジタルツイン:4DモデルとWebカメラ映像で建設現場をリアルタイムに再現、奥村組とDTSインサイト
奥村組とDTSインサイトは、デジタル空間に4Dモデルで建設現場を再現する「4Dモデル/現場映像連携システム」を開発した。新システムの導入により、現場管理の高度化と効率化を図り、建設現場の生産性が向上する。製品動向:木造ハイブリッド構造の奥村組社員寮に環境配慮型コンクリを採用
奥村組は2024年8月19日、埼玉県川口市で建設を進める木造ハイブリッド構造の自社寮「奥村組西川口寮」の基礎と地中梁に、環境配慮型BFコンクリート「CELBIC」を採用した。電子ブックレット(BUILT):工事現場の酷暑を乗り切る建設ICT【2024年版】
ウェブサイトに掲載した記事を印刷しても読みやすいPDF形式の「電子ブックレット」にまとめました。無料のBUILT読者会員に登録することでダウンロードできます。今回のブックレットは、2024年の酷暑を乗り切るために役立つ、さまざまな建設ICTツールを1冊に編纂しました。新工法:高速道路の床版取替工事で新工法開発、特殊スパイラル筋により作業時間短縮 奥村組
奥村組と昭和コンクリート工業は、高速道路橋に使用されるプレキャストプレストレストコンクリート(PC)床版の新たな継手工法「Zスパイラル工法」を開発した。今後、高速道路の床版取替工事に新工法を積極的に提案していく。現場管理:奥村組が熱中症対策を強化、建設作業員向け体調管理プログラムを試験導入
奥村組は、建設作業員を対象とした体調管理プログラムを建設現場に試験導入した。作業員の体調や疲労度を適切に管理することで、熱中症の防止につなげた。BUILTトレンドウォッチ(5):2024年4月から本足場が義務化、変更点をおさらい
野原グループが運営する「BuildApp News(ビルドアップ ニュース)」とBUILTがコラボした本連載「BUILTトレンドウォッチ」では、建設DXの実現に向けた基礎知識から、法令動向、最新技術など、旬なキーワードをピックアップして解説します。現場管理:ゼネコン21社が「AIカメラ」を活用した配筋検査サービスを先行導入
配筋検査システム協議会のゼネコン21社は、配筋を立体検知するAIカメラを活用し、配筋検査作業の時間を半減するサービスを先行導入した。