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木造ハイブリッド構造の奥村組社員寮に環境配慮型コンクリを採用:製品動向
奥村組は2024年8月19日、埼玉県川口市で建設を進める木造ハイブリッド構造の自社寮「奥村組西川口寮」の基礎と地中梁に、環境配慮型BFコンクリート「CELBIC」を採用した。
奥村組は2024年8月19日、躯体工事におけるCO2排出量削減を目的に、環境配慮型BFコンクリート「CELBIC(セルビック)」を、埼玉県川口市で建設を進める自社寮「奥村組西川口寮」(部屋数60室)の基礎と地中梁(はり)に採用したと発表した。
CELBICは、奥村組の他、長谷工コーポレーションや安藤ハザマ、熊谷組などゼネコン13社が参画する「CELBIC研究会」で開発した。普通ポルトランドセメントの一部を高炉スラグ微粉末で代替することで、セメントの製造過程におけるCO2排出量を削減する。高炉スラグ微粉末の使用率は、建物の部位によって10〜70%の範囲で使い分ける。
自社寮の建設では、基礎/地中梁(打設数量214立方メートル)にCELBICを最大使用率の70%で採用した。普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートを採用した場合と比較して、約63%のCO2排出量(約45トン)を削減できる。
奥村組西川口寮は、地上8階建て、延べ床面積1809.18平方メートルの社員寮で、木造とRC造の混構造である「木造ハイブリッド構造」を採用している。1階〜3階の床までをRC造、3階の柱と4〜8階までを木造(一部RC造)で建設する。木材/木質材料の使用量は246立方メートル。1〜2階間に免震層を設けて中間階免震構造とした。工期は2023年11月〜2025年3月を予定している。
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