仮設トイレなどのレンタル企業が東京理科大発イノフィスのアシストスーツ導入:アシストスーツ
仮設資材のレンタルを提供するエクセルトライが、イノフィスのアシストスーツ「マッスルスーツSoft-Power」を1台導入した。マッスルスーツSoft-Powerのサポータータイプは、腰の負担を35%軽減し、重量物の運搬などで身体的負担を軽減する。
東京理科大学発スタートアップのイノフィスは2024年11月8日、仮設トイレやユニットハウスなどのレンタル、販売、施工を行うエクセルトライに、アシストスーツ「マッスルスーツSoft-Power」を1台納入したと発表した。
80キロもの仮設トイレの運搬や中腰での清掃作業の負担軽減
マッスルスーツSoft-Powerは、電気を用いず屋内外に対応するサポータータイプのアシストスーツ。サポーターの背面部に人工筋肉のアシスト技術を採用し、実証によると腰の負担が35%低減する。
製造や物流倉庫、介護現場、農作業などでの腰に負担が掛かる作業に適する。適用身長は150〜190センチで、ウエストサイズはフリー。メーカー希望小売価格は5万9400円(税込み)。
仮設トイレやユニットハウス、その他の仮設資材は年々需要が高まっている。背景には、コロナ禍で一時中止されていたイベントの再開や増加の他、災害対策や復興支援での迅速な対応、建設プロジェクトの活発化による供給ニーズが存在する。さらに昨今の円安による影響で訪日観光客が増加し、観光地やキャンプ場での過剰観光(オーバーツーリズム)での対応としても仮設設備の導入が進んでいる。
こうした需要の増加に応えるべく、エクセルトライでは効率的な供給を目指して重機の活用を進め、人力作業の軽減に取り組んでいる。しかし、80キロもの重さの仮設トイレ設置や20リットルのポリタンク運搬には依然として人の力が欠かせない。
そこでイノフィスのアシストスーツに着目し、現場での試用を経て、マッスルスーツSoft-Powerの採用を決めた。現場適用では、80キログラム弱の仮設トイレの持ち上げや20リットルのポリタンク運搬などで負担軽減を実感し、作業の中断がなくなるなど作業効率の向上や従業員の健康面でもプラスに作用したという。
エクセルトライは今後、労働環境の改善を図りつつ、女性や体力に不安がある人の採用も検討する意向を明らかにしている。
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